嫌気の塊のサル顔や、街中で見かけた作業服姿の若者の、黄色と黒がまじりきらない、くすんだ髪の毛。或いは、「はて、私が何か悪いのでしょうか?」と問いかけねばいけなくなるような、不安感を覚えさせる、まるで無価値の化石のような中年女性の目玉。
私には、こういう具合のものを見たその場所で、自ずとそう唸る他に方法がないのだ。そのうえ、その表情は何一つ不平を面にしないで、もはや、ほとんど微笑の様子さえみられるというくらいである。私は人が怖いのだ。
「人」、たとえサル顔でも、化石のような目をしていようとも、彼らも「人」である。本当のサルならどうでもよいが、人に、彼に、私の不平に感づかれては、到底困るのである。人は怖い生き物だ。人という生き物は心を持っている。私の不平を察してから、何時なんどき、私に襲い掛かるようなことがあるかもしれないのだ。とかく、人は恐ろしい生き物なのだ。
私は、彼女と出会ってほとんど二が過ぎ、いよいよ彼女の理解しづらい、恐らく、私のそれと合致しないだろうという性格を、自分勝手に、おおまかに、理解しているつもりであったが、どうやらこのいやらしい表情には耐性ができないらしい。それも大袈裟に言うと、「私、恥ずかしながら、精神面において達者とはいえない人間であります。」と何回でも宣誓できるくらいに、精神がもろい(本当かどうか、はたして疑わしいのですが)私にとって、今日は不安定な日であるから、こんな表情は、一層こたえるのである。
一方、外ではその陰鬱な気持ちに、加担してか、ほとんど悪意にも似た小雨が降りだしたようだ。
posted @ 2007-06-07 18:12
左生右活 阅读(134)
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