戦後最大の疑獄事件といえば、やはりロッキード事件になるだろうか。航空機の売り込みで巨額のわいろが動き、田中角栄元首相の逮捕に至ったこの事件は、30年前の1976年2月4日にアメリカの議会で発覚した。
ぎごく 0 【疑獄】
((be involved in))a scandal [graft case].
(1)政治にからむ大規模な贈収賄の事件。
「造船―」
(2)〔礼記(王制)〕犯罪の疑いで審理中の難事件。
その日は確か、東京本社の社会部で宿直勤務に着いていた。原稿は最終版ぎりぎりに、ワシントンの記者から外報部へと送られてきた。「ロッキード社 丸紅・児玉氏へ資金」。記事は26行と短いが、見出しは大きく5段抜きだった。
しゅくちょく 0 【宿直】
(名)スル 会社・学校などで、夜そこに泊まって警戒などに当たること。また、その人。⇔日直
政治、経済、社会、外報の各部総掛かりでとりかかる、まれな事件となった。社会部では一番若手だったので、児玉誉士夫邸の前で人の出入りを取材する「児玉番」の日もあった。
まれ 0 2 【▼稀/▽希】
(形動)[文]ナリ
数がきわめて少ないさま。非常に珍しいさま。
「世にも―な美人」「たぐい―な才能」「ごく―に青い花も咲く」
――に見る
めったにない。非常にめずらしい。
「―才能の持ち主」
7月27日の朝、自宅に本社から電話が来た。「田中逮捕だ。拘置所へ行ってくれ」。すぐタクシーで向かう。着いた時は、元首相を乗せた車が塀の内側に入った後だった。車内の元首相を見た本社写真部員からその様子を聞いて、原稿を送った。
「今太閤」などと言われて、首相にまで上り詰めてから4年後の逮捕だった。この後も様々な事件を現場で取材したり、周辺で見たりしてきたが、これほど深刻な権力犯罪には出合っていない。
たいこう ―かふ 1 【太▼閤】
(1)摂政または太政大臣の敬称。のちには、関白を辞して内覧の宣旨をこうむった人。または関白をその子に譲った人の称。
(2)特に豊臣秀吉の称。
のぼりつ・める 5 【上り詰める】
(動マ下一)[文]マ下二 のぼりつ・む
(1)いちばん高い所までのぼる。のぼりきる。
「坂を―・めた所が峠だ」「首相の地位に―・める」
(2)すっかりのぼせあがる。夢中になる。
「三浦屋の高尾と申す女郎に、首立て衣の上まで―・め/浮世草子・好色万金丹」
戦後の約60年を顧みると、ロッキード事件はその真ん中あたりで起きている。事件を挟んで前と後が30年ずつある。「ロ事件後」の30年で日本の腐敗や癒着の構造はどう変わってきたのか。表向きはともかく、闇の構造そのものが消えたとはとても言えないだろう。ロ事件が繰り返されないという保証はない。
posted @ 2006-02-04 16:11
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