手の指先をすぼめて空に向けたような形の聖火台から、すっと炎が消える。トリノ冬季五輪の幕が閉じた。テレビ画面の濃い闇の向こうから、大会の幾つもの場面がよみがえってきた。
人々はアルプスを背にしたポー川のほとりの街に集い、雪と氷と風の中で競った。成功と勝利があり、失敗と敗北があった。歓喜と失意とがあった。様々な国の旗が翻り、獲得メダルの数が注目された。しかし国ごとの区別が五輪の眼目とは思えない。
やはり、記録と自らの限界に挑む選手たちの姿が胸に残る。それぞれの顔や手や足の動きに輝きが宿っていた。
その光をかげらせるものもある。商業主義や見せ物化、薬物汚染の根は深い。しかし、過去何よりもその輝きを奪ったのは戦争だった。1940年の「東京五輪」は幻に終わった。
同じ時代にトリノで、反ファシズム活動を理由に逮捕された詩人チェーザレ・パベーゼが流刑地で書いた。「今日という日に川から霧が湧いて、美しく/都会へ流れこむ……帰ってくる価値はあるのだ、たとえ変り果てても」。遠い獄舎でトリノを思っている(河島英昭『叙事詩の精神』岩波書店)。
そんな歴史もあるこの街で昨秋、ポー川のほとりに立った。そばには釣り糸をたれる人が居た。白くにごった水がゆったりと流れてゆく。ファシズムと戦争がこの地を覆った時代を思いながら、「平和の祭典」を慌ただしく準備する街を歩いた。大会を無事に終えて聖火が消えたトリノの街に、詩人の夢見た穏やかなたたずまいは、もう戻ってきただろうか。
形如伸向天空的手爪的圣火台上,火焰很快熄灭。都灵冬奥会落下了帷幕。我坐在深邃漆黑的电视画面前,回顾了本次大会几个难忘的镜头。
人们会集到背靠阿尔卑斯山脉台伯河畔的这座城市,在冰雪和寒风中竞技。有成功和胜利,有失意和落败。几家欢乐几家失落。赛场上各国的旗帜飘扬,奖牌榜受到关注。可我认为奥运会上并不是以此来区别各个国家的。
最后留在人们记忆中的,是挑战纪录和自身极限的选手们的精彩表现。奥运精神的光芒闪耀在选手们各具特色的表情和矫健身手中。
光芒中也有阴暗的东西存在。商业化和娱乐化,违禁药物的屡禁不止。但在过去,夺去奥运光芒的除了战争还是战争。1940年的“东京奥运会”就是因此化为了泡影。
同一时代在都灵,因反法西斯主义活动的罪名遭逮捕的诗人Cesare·pabeze在荒远的流放地牢狱里想念都灵,他写到,“今日之日,河面上弥漫着雾气,美丽/流向都市里……值得回去,即便那里已完全改变”。(河岛英昭《叙事诗的精神》岩波书店)。
去年秋天,在有着这样一段历史的城市中,我在台伯河边驻足。一旁有垂钓的人。宽阔的河面上白色浑浊的河水缓缓的流淌。一边回想法西斯主义和战争笼罩这里的那个年代,我漫步在正在紧张准备“和平盛典”的城市里。如今在大会顺利结束圣火熄灭的都灵的大街上,诗人梦中的和平景象,是否已经回来。
posted @ 2006-02-28 11:27
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