トランプが全部揃ったら (第二回きみまち恋文大賞)本田洋子
一日が終わって、たくさんの話を、一つひとつ思い出して、紙の上で、あなたに語りかけます。
手紙を書くことが好きな私でも、さすがに毎回、五枚も六枚も書くと、二時間近くかかってしまう。でも、その二時間は、あなたに語りかける、夢のひとときです。そしてその二時間の語りを、速読法を習得しているあなたは、ほんの数十秒で読んでしまうのです。 そして電話で、「手紙届いたよ、ありがとう」と一言、言ってくれるのですね。
封筒の中には、私の大作と一緒に、いつもおまけがついています。
封筒を開けた時、手紙と共に、いつもの私を感じてほしいから。
もう、どれくらいのおまけが、あなたの元に届いたでしょう。イヤリング、しおり、マッチ、花の種etc・・。 ネタがないなあ、と思った時に一度、香りを送りました。私がいつもつけているコロンを、手紙の上からシュッとひと吹きしてみたんですね。 あなたは電話で言いました。
「部屋にもどったら、いつもの香りがしたから、部屋にいるのかと思った」私を感じてくれましたか?すごく、うれしかった。 私の家にも、貴方を感じさせてくれるものがあります。ほらっ、遊びに来てくれた時、帰りに置いていってくれたポストカード。「また来ます」のたった五文字にあなたのすべてが重なって、涙がこぼれました。
そうそう、、おまけの他にもう一つ、トランプのカードを添えています。ハートのAから一枚ずつ送って、もう半分近くになったでしょうか。
これからもゆっくりと、一枚一枚、私の心と一緒に送ります。
posted on 2006-10-22 19:16
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