きのうの朝、駅に向かう道で、「早く、早く」という声を聞いた。晴れ着姿の娘さんがカメラを構えた父親をせかしている。成人式へ出かける前に玄関先で記念の一枚を、ということらしい
昨天早上,在去车站的路上,我听到“快点快点”的声音。身着盛装的女儿正催促着架相机的父亲快点。好像是要在出席成人式之前,在玄关前拍一张照片作为留念。
犬の散歩をする人がひとり、ふたり、足をとめたので、白い襟巻きの中の顔が照れている。中腰で念入りにアングルを探る父親と、傍らでほほえむ母親と、家族の姿を丸ごと遠景から写してみたいような、ちょっといい場面だった
因为有一两个遛狗的人停下了脚步,白色卷领中的脸有点羞涩。弯着腰细心摆弄角度的父亲,和旁边微笑的母亲——就好像想把整个家庭的样子从远处拍摄下来一样,是一个恰到好处的场面。
吉野弘さんに、「一枚の写真」という詩がある。ひな飾りの前で、幼い姉妹がおめかしをして座っている。「この写真のシャッターを押したのは/多分、お父さまだが/お父さまの指に指を重ねて/同時にシャッターを押したものがいる/その名は『幸福』」
吉野弘有一首名为《一张照片》的诗歌。年幼的姐妹俩化了妆端坐在人偶前。“按下快门拍下这张照片的/大概是父亲/有一个人把手指按在了父亲的手指上/同时按下了快门/他的名字就叫‘幸福’”。
クリスマスから正月、「成人の日」が終われば、桃の節句に入学式の季節が控えている。指に指を重ねて家々を回るのが仕事のその人も、冬から春は書き入れ時に違いない
从圣诞到正月,“成人日”一结束,入学典礼就等在了女儿节之后。这个人的工作是把手指按在每一家的手指上,穿梭于家家户户,从冬到春肯定也是他最繁忙的时候。
古いアルバムをひらき、幼い自分の写真を見ながら、シャッターを押した父や母の表情に思いをめぐらすときがある。写真とは思い出の記録だが、困ったことに思い出したいものはいつも写っていない
翻开老相册,看着自己年幼时的照片,有时会想象按下快门的父母的表情。照片虽然是回忆的记录,但让人困扰的是,想要回忆的东西却总是没有拍下来。
あの娘さんもいつか、玄関先の一枚を眺めては、シャッターを押す指に指を重ねていた“もうひとり”に気づく日があるだろう。
大概总有一天,那个女儿会看着自己在玄关前拍的照片,发现“还有一个人”把手指按在了按快门的手指上吧。
posted @ 2008-01-15 12:05
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この国もまだいけそうだと少し安心した。東洋大学が全国から募った第21回「現代学生百人一首」である。中高生らが寄せた約6万首から100首が入選した
我稍稍感到一丝宽心:这个国家还有希望。下面是东洋大学从全国范围内征集的第21届“现代学生百人一首”。初高中学生大约6万首来稿中,有100首入选。
〈両親の働く姿に胸打たれそっと終わらすマイ反抗期〉中3・樋口絢美(あやみ)。家族への思いと温かい観察眼に驚かされる。〈ほうれん草のおひたし最近水っぽい握力落ちた母の細腕〉高3・千葉幸。〈仲間とのそば打ち語る父の顔白髪頭の少年がいる〉高3・馬場史織
“被父母劳动的样子打动,我的叛逆期静悄悄地结束”(初中3年级,樋口绚美)。对家人的感情和温暖的观察力让人吃惊。“凉拌菠菜最近水分很多,母亲细小的手腕不如从前有力”(高中3年级,千叶幸)。“聊起和朋友一起做荞麦面的父亲,眼前仿佛有一个长着父亲面容的白发少年”(高中3年级,马场史织)。
柔らかな視線の先は親だけではない。〈おじいちゃんみんなの話題と違うけど私はちゃんと聞いてるよ〉高3・岸友佳里。〈帰るねと言ったら急に話し出す祖母の顔見てまだいようかな〉高2・内田菜月
温柔的视线不仅仅投射在父母亲身上。“虽然和爷爷在感兴趣的话题上完全不同,但我仍在用心听哟”(高中3年级,岸友佳里)。“一听到祖母说回去喽就急得说话,看到祖母的脸——原来还在啊”(高中2年级,内田菜月)。
〈おばあちゃんさっきも言ったよその話忍びよる影そっと肩抱く〉高3・関口亜沙実。精いっぱいの愛情表現だろう。三十一(みそひと)文字の受け皿を得て、心底の優しさが紡ぎ出されたかのようだ
“奶奶这句话您刚刚说过了哟——悄悄走过去拥着奶奶的肩膀说”(高中3年级,关口亚沙实)。这大概就是竭尽全力表达的爱情吧。就好像得到一个盛短歌的托盘,把心底的温柔都织了出来。
恋や勉強、職業訓練の歌には実感がこもる。〈大好きな君に会えるの期待して今朝もいつもの各駅停車〉高2・長谷亜也。〈片隅に積み上がってる参考書夏物語るマーカーのあと〉高3・野呂友里恵。〈初めての機械実習緊張の心の角を切り飛ばしてる〉高1・泉田純次
关于恋爱和学习、职业训练的短歌里,也蕴含了实感。“今早也如往常一样,停靠各个车站时都期待着能遇到最最喜欢的你”(高中2年级,长谷亚也)。“墙角沾满灰尘的参考书,是夏天发生的故事留下的记号痕迹”(高中3年级,野吕友里惠)。“第一次机械实习,紧张得好像心被切飞了一角一样”(高中1年级,泉田纯次)。
去年の猛暑は意外にも、家庭を見つめ直す作品を残した。〈エアコンで家族が集う夏の居間異常気象がもたらす絆(きずな)〉高1・小玉千陽(ちはる)。その絆さえあれば、会わずとも思いは飛んでゆく。気持ちはつながる。〈受験費用心配しなくて良いからと父のメールに涙こらえる〉高3・小林麻未
去年的酷暑出人意料地留下了重新审视家庭的作品。“空调让全家聚在一起,夏天的起居室是异常气候带来的感情羁绊”(高中1年级,小玉千阳)。只要有这个感情羁绊,即使不见面,心也会飞到亲人身边。彼此的心情是相连的。“不用担心考试费用——父亲的邮件让我强忍泪水”(高中3年级,小淋麻未)。
posted @ 2008-01-15 11:26
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