ウルリーケ:有利陛下、こうして時下(じか)にお会いできる日を、心持(こころもち)にしておりました
有利:そう言えば、戴冠式の時は会ってないよね
ウルリーケ:はい、私はここを離れられません、巫女として入って以来、一歩も真王廟から出たことがありませんから
有利:えっ、それって、八百年も外に出てないってこと、たまには外の空気も吸ったほうがいいよ、軽い運動も健康にいいし、うちのお袋もさ、最近ウェストあたりを気にして、ジョイング始めよかなぁって言ってるし
ウルリーケ:はぁ、陛下って本当にお優しい
ボルフラム:触るなって言ってるだろう、それより、何が用があって有利をここに呼んだんじゃないのか
有利:呼んだって、俺をこっちの世界に呼んでるの、君なの
ウルリーケ:え、真王のご意志を受け、私が陛下をこっちの世界へ導いて(みちびいて)います
有利:だったらさ、もうちょっと場所とタイミングを考量(こうりょう)してもらえるとありがたいんだけど、で、今回は俺は何すればいいわけ
ウルリーケ:今回はただ陛下にお会いしたくて
有利:えっ
ウルリーケ:だっで、皆様がお会いできて、私だけが駄目なんで、不公平だっと真王陛下に訴え(うったえ)たら、お願い、適いで下されって
有利:そ、それで、俺は河に引っ張り込まれたと
ウルリーケ:だっで、だっで
有利:あ、いや、別に苛めってる(いじめってる)わけじゃないんだよ
コンラッド:あなたがなくしては、陛下はこちらの世界に来られない、われわれは皆あなたに感謝していますよ
有利:はぁ、そうそう
ウルリーケ:そう言っていただけれと
ボルフラム:まったく、誰にでも愛想のいいやつね
ギュンター:では、よい機会です、今回は落ち着いてじっくりと魔王としての勉強をしていただきましょう
有利:勉強か
ギュンター:では失礼しますね、ウルリーケ
ウルリーケ:お会いできて、嬉しかったですわ、陛下
有利:まだ来るよ
有利:いってててて
ボルフラム:このへなちょこめ
有利:いってててて、何だよ、放せ
ギュンター:ボルフラム、陛下の耳に何ってこと
ボルフラム:有利は僕の婚約者なんだか、何してもいいんだ
ウルリーケ:コンラッド
コンラッド:はい
ウルリーケ:何か良くないことがお気をとしています
コンラッド:あ、分かってる、陛下は何があっても、俺が守るよ
ウルリーケ:コンラッド、あなたに何があっても、有利陛下は悲しまれますよ
コンラッド:あ、それもよく分かっているよ
ボルフラム:お前はへなちょこで馬に乗れないのだから、僕の後ろに乗せてやる
有利:はぁ、お前、この前俺を乗せてくれたやつじゃないか、元気だったか
ボルフラム:あ、おい
有利:よしよし、名前は何っての
ギュンター:それは陛下の馬ですから、陛下が名づけってやってください
有利:本当に、じゃ、えーと、青、馬って言ったらやっばり青だよな
ギュンター:気にいったようですね、陛下に名づけていただけるなら、私にも馬になりたい、あっ、いいえ
有利:俺、こいつに乗って行くか
ボルフラム:あっ、ほら、さっさと行くぞ、へなちょこ
有利:へなちょこ言うな、コンラッド、どうかした
コンラッド:いいえ、別に、さ、行きましょう
有利:あ、うん、今度はおとなしく乗せてくれよ、青、よし、青、出発