欧州に住んでいた女性の話である。6年前の夏、日本の母親が信号無視の車にはねられ、急死した。一番早い飛行機と新幹線で帰郷し、スーツケースを引きずって
斎場に駆け込むと、火葬が始まっていた。
後日、実家の洗面所で母を見つけ、そっと
ティッシュに
くるむ。
ブラシの
毛髪(もうはつ)だ。
/一位居住在欧洲的女士的故事。6年前夏天,在日本的母亲突然被闯红灯的汽车撞倒而去世。当她乘坐最早一班航班和新干线回到家乡,拖着行李箱赶到火葬场时,火葬已经开始了。后来,在母亲家的卫生间看到了母亲遗留在刷子上的毛发,就轻轻地包进了纸里。
★ブラシ [1][2] brush(1)獣毛や合成樹脂などを植え込んだ,ごみを払ったり物を塗ったりする道具。はけ。ブラッシュ。〔「刷子」とも書く〕
★ご-じつ [1][0] 【後日】(1)のちの日。今後。将来。「―に問題を残す」(2)事件などのあったその後。ごにち。こうじつ。
★さい-じょう [0] 【斎場】(1)祭祀(サイシ)を行う清浄な場所。祭場。(2)葬式を行う場所。「青山―」
★ティッシュ-ペーパー [4] __tissue paper__薄葉(ウスヨウ)紙。特に,高級ちり紙。ティシュー-ペーパー。ティッシュ。[卫生纸]
★くる・む [2] 【包む】 (動マ五)布・紙などでおおって,中に入れる。「体をタオルで―・む」
横浜市で開かれた葬祭見本市で、「手元供養」の商品群を見た。たとえば、遺骨や遺髪から合成するダイヤモンドは、炭素の結合力を故人とのきずなに見立てる。遺骨と石の原料を溶かして飾りにする業者は、工程を遺族に見せるという。
/横滨市举行的葬仪产品展上见到了“身边供奉”的系列产品。比如,由遗骨和遗发合成的钻石是将炭元素的结晶体看作与故人的牵绊。据说厂家还让亲属观看将遗骨和原料石溶解制成饰物的整个过程。
★手元供養(てもとくよう)とは、一般的な葬送の方法である寺院への納骨の代わりに、或いは納骨を行ったうえにさらに、遺骨(遺灰)を自宅等で保管し、慰霊の場を身近に置いて故人を偲ぶという概念。手元供養品には、遺骨の扱い方で加工型と納骨型に大別できる。方法は地蔵の焼き物、石製(庵治石など)のオブジェや竹製、金属製、遺骨混入型のペンダント(カロートペンダント)などがあり、供養する側の好みや、価値観、供養観、死生観などにより選ばれている。
「愛する人たちとの死別に比べれば、他のことはいずれも、人生で取るに足らない」。物理学者の米沢富美子さんは『二人で紡いだ物語』(朝日文庫)で、夫との別れをこう書いた。
/“与和亲人生离死别相比,人生的一切都微不足道。”物理学家米泽富美子曾在《两个人的故事》(朝日文库)中这样描写与丈夫的离别。
★つむ・ぐ [2][0] 【紡ぐ】 (動ガ五)綿・繭から繊維を引き出し,よりをかけて糸にする。「糸を―・ぐ」
風になると思えば、いくらかは安らぐ。でも、「人の世の悲しみをよそに、自然は容赦なく営みを継続し、春がゆき、夏が来ようとしている」(同書)という心境になれば、愛する人の「かたち」を欲することもあろう。
/如果相信故人已化作清风(与我相伴),内心就稍稍平静下来。可是如果认为“不管人世悲欢离合,自然界依旧冷漠无情地进行着春去夏来的轮回。”,也就会想要一件亲人的“遗物”吧。
★よう-しゃ [1] 【容赦】 相手の事情を考慮して,手加減すること。「だれかれの―をしない」 ――無(ナ)く 遠慮することなく。手加減せずに。「―攻撃する」
日本の死者は03年に年100万人を超え、葬祭関連の市場も膨らんでいる。一方で、介護や医療の負担もあって、葬儀1件あたりの出費は減る傾向という。都会では、お墓や仏壇が縁遠くなりつつある。
/2003年,日本死亡人数超过100万人,殡仪市场规模也不断在壮大。另一方面,由于护理和医疗负担过重,据说一次葬礼的花销有逐年减少倾向。城市中人们对墓地和佛龛越来越不感兴趣。
★ぶつだん【仏壇】仏像・位牌(イハイ)を安置する壇。かぞえ方一基
死者をしのぶ行為は本来、すぐれて個人の心の問題だ。しきたりや世間体を離れ、簡素でも自分に正直に、気が済むようにすればいいとも思う。私事にわたるが、冒頭の話は今回、手元供養をめぐるやりとりの中で、妻から初めて聞かされた。
/思念故人的行为本来就尤其是个人内心的问题。我认为应该与风俗习惯和社会分离,即便形式简单,只要是自己的真实想法,心安理得就行。本文开头的事情是与妻子就身边供奉问题进行讨论时,首次听说的。
★すぐれ-て [2] 【優れて・勝れて】 (副)きわだって。特別に。とりわけ。「―政治的な問題」
★きがすむ【気が済む】気がかりな事が片づいて、晴ればれしい気持になる。
★し-きたり [0] 【仕来り・為来り】前々からそのようにしてきたこと。ならわし。慣例。「土地の―」「―に従う」
posted on 2007-06-25 11:58
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