斜陽をあびてバラが
咲き誇っている。中の一輪に
ハサミを入れ、加藤楸邨(しゅうそん)は詠んだ。〈薔薇剪(き)れば夕日と花と別れけり〉。鮮烈な喪失感が漂う、不思議な句だ。英王室の大輪のバラが、異境の庭で散ってはや10年になる。
/夕阳斜照,玫瑰盛开,剪落一朵。加藤楸邨吟咏:“剪落玫瑰,夕阳乃与花别”。神奇的诗句,回荡着浓烈的失落感。英王室那朵大玫瑰花凋谢于异国庭院已10年。
★さき-ほこ・る [4] 【咲(き)誇る】 (動ラ五)今が盛りであるとばかりに,美しく咲いている。「―・る庭の紅梅」
★鋏を入れる①鋏で切る。②樹木や頭髪の刈込をする。手入れをする。③乗客などの差し出す切符にパンチで穴をあける。④フィルムを検閲でカットする。
かの国が香港を手放した夏の終わりに、ダイアナ元皇太子妃は交通事故で逝った。36歳だった。謀殺説を封じて、運転手の飲酒とスピード超過が原因とされている。
/英国撤离香港那年夏末,前王妃戴安娜因交通事故去世,享年36岁。英国否认了谋杀说,认定原因为司机酒后驾车与超速驾驶。
★ふう・ずる [0][3] 【封ずる】 (動サ変)(1)封じ目や出入り口をふさぐ。封をする。「密書を―・じて使者に託す」「港を―・ずる」(2)人を制して自由に動けないようにする。「口を―・ずる」「利き手を―・ずる」「批判の声を―・ずる」
パリにいた頃、毎週末の買い出しの帰りに、その短いトンネルを通った。ほぼ直線で幅もある。通るたび、ここをどう走れば大型車で死亡事故が起きるのかと、いぶかったものだ。故人の後半生とは対照的に、セーヌ河岸の現場はありふれた道だった。
/我在巴黎时,每次周末外出购物回来,都经过那条短短的隧道。路几乎是直线,也比较宽敞。每次经过,我都很纳闷:怎样行驶,才会酿成大型车造成的而死亡事故呢?而与故人的后半生不同,塞纳河岸边的现场只是条平常无奇的道路。
★いぶか・る [3] 【訝る】 (動ラ五)〔上代は「いふかる」と清音〕(1)変だと思う。不審に思う。「息子の行動を―・って問いただす」(2)はっきりしないのでおぼつかなく思う。
別居と離婚、新しい恋人。地位がなければ、これまた平凡な愛憎劇だろう。エリザベス女王は「民間人」の死に沈黙を通し、国民の批判を招いた。当時の内幕を描いた英映画「クィーン」には、世論に折れた女王が「大げさな涙とパフォーマンスの時代ね」と嘆く場面がある。
/分居、离婚、结识新恋人。如果没有前王妃的身份,这不过是一出平凡的情感剧吧。伊莉莎白女王对“平民”之死始终保持沉默,招致国民的批评。在一部描写当时内幕的英国电影《女王》中有这样一个场面:迫于舆论压力而妥协的女王叹息地说“真是夸张的眼泪与表演的时代呀!”
★パフォーマンス [2] __performance__(1)実行。遂行。(2)演奏。演技。特に現代芸術で,肉体を用いた表現形態。(3)街頭などで突発的に行う演劇表現。
★お・れる [2] 【折れる】 (動ラ下一)(4)相手に対する自分の主張をやわらげて相手の言い分を聞き入れる。譲歩する。「最後には相手が―・れて,やっと話がまとまった」
今年のアカデミー主演女優賞に輝いた女王役のヘレン・ミレンは王室の昼食に誘われた。脚本はだから、絵空事ではなかったようだ。ミレンは「こうした映画を作れる国に生きるのはすてきです」と語っている。
/扮演女王角色并荣获今年奥斯卡金像奖最佳女主角奖项的海伦·米伦受邀出席王室午宴。剧本似乎不是虚构的。米伦说过:“生活在能制作出如此电影的国家,真是太荣幸了!”
★え-そらごと [0][3] 【絵空事】絵は実際の物とは違って誇張され美化されて描かれているものであること。転じて,実際にはありもしないこと。大げさなこと。「―を並べる」
女王が願う「模範の家庭」からは遠いが、英王室の懐は深い。元妃も時にメディアを手玉に取り、薄幸ぶりをさらしたという。その人間味は王室の命脈に寄与したのか、逆か。希代の一輪。ひと昔にしてなお強烈な残り香に、花と棘(とげ)の大きさを思う。
/虽与女王所期望的“模范家庭”相去甚远,但英王室的胸怀还是很宽广的。据说前王妃经常利用新闻媒体,大曝自己的不幸。她的人情味对于王室的命脉是有益呢,还是无益呢?真是一朵况世奇葩。在十年往昔依旧浓烈的残香中回忆玫瑰花与刺的大小。
★懐が深・い(1)度量が広い。包容力がある。(2)理解や能力に幅がある。
★手玉に取・る〔手玉のように投げ上げてもてあそぶ意〕人を自分の思うままに動かし扱う。翻弄(ホンロウ)する。
★はっ-こう [0] 【薄幸・薄倖】 (名・形動)幸せが薄い・こと(さま)。ふしあわせ。「―の身」「―な運命」
★き-たい [0][1] 【希代・稀代】 (名・形動)〔「きだい」とも〕(1)世にまれなこと。めったにないこと。また,そのさま。「―の悪人」(2)不思議なこと。奇怪なこと。また,そのさま。「―なこともあるものだ」
★ひと-むかし [2][3] 【一昔】昔の出来事だと感じさせる程度の漠然とした時代の隔たり。一時代まえ。「十年―」
posted on 2007-08-27 19:07
零度沸点 阅读(494)
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