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大切なのは結果じゃない。
今、何のために生きているのか…
何をつくりだす事ができたのか…
守るべきものは何なのか……
生きている間に人がその答えを見つけだす事ができれば、
それでいいんじゃないのか?

——ファイナルファンタジー VI

喜爱的声优(不分先后):
男:森川智之、诹访部顺一、关智一、桧山修之、小西克幸、杉田智和、 三木真一郎、游佐浩二、福山润、岸尾大辅、平川大辅、浪川大輔、千叶进步、速水奖、铃木千寻、木内秀信、宮野真守 鈴村健一、櫻井孝宏、真殿光昭、神谷浩史、高橋広樹、中田譲治、下野紘、佐々木望、代永翼、中村悠一、安元洋貴

女:朴ろ美、涼風真世、斎贺みつき、竹内順子、高山みなみ、桑岛法子、皆川纯子、钉宫理惠、绪方惠美、久川绫、折笠富美子、折笠愛、甲斐田ゆき、川澄綾子(博爱啊>_<)


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好久没做听写了。。对工房系列很有爱~对神谷这张更是有爱~
于是又勤奋了一次^^
希望有爱的亲们来帮忙校对一下~~thx~~~


音频已在随心听小组放出~
大家快去下吧~~

http://bulo.hjenglish.com/group/topic/116769/



続・ふしぎ工房症候群 EPISODE.4「兄からの手紙」
語り:神谷浩史

XNCG-10005 / CD / \2,100(Taxin) / 2008. 5. 28


INDEX
01.prologue
02.実刑判決
03.幼い日の記憶
04.兄への嫉妬
05.父の死…居場所がない
06.自由の日々
07.兄との再会…母の死
08.ふしぎ工房
09.出所の日
10.最後の手紙
11.本当の気持ち
12.epilogue


1 . prologue
日常で起こる些細で不可思議な出来事、それが人の思考と行動に影響を与えていく、過程と結末を知りたいとは思いませんか?この物語はあなた自身の好奇心と願望に基づいて構成されています。ともすれば見落としてしまいがちないつもの風景の中に、あなたが不思議工房を見つけることができるように、お手伝いしましょう。


2 . 実刑判決
四角い小さな窓からうっすら光が差し込む。コンクリートの壁に囲まれた薄暗い部屋の中に蹲ったままの僕がいる。
朝から夕方にかけて就労し、同じ灰色の服を着た大勢の人間の中で食事を済ませては、またここに戻ってくる。
そんな毎日の繰り返しの中で、僕はただ茫然と日々を送っていた。
強盗障害罪、それが僕の罪状だった。酔った勢いのつまらない喧嘩の末、僕は相手をナイフで刺した。そして、倒れた相手の背広の内ポケットからはみ出した財布を見つけ、それを抜き取って逃走した。
相手を刺したからといって、動揺したわけではない。金に気を奪われただけだ。それもいつものことのように。
しかしあちこち逃げ回ったものの、指名手配され、僕はすぐにも逮捕された。最初は単なる喧嘩で、金を奪ったのは出来心だったという僕の主張はあっさり退けられた。
相手が通りがかりの見知らぬ人だったため、金目当ての強盗障害罪で実刑三年が確定した。
幸いといっていいか、相手は重傷を負ったものの、命を取り止めた。でなければ僕は、一生この刑務所で暮らすことになっていただろう。
後悔の念はない。相手も相当酒を飲んでいた様子だったから、その点ではお互い様だし、先に殴りかかってきたのはあっちの方だ。盗んだ財布だって中身は一万円札が二枚入ったきりだった。
たったの二万円。。。僕は苦笑した。ばかばかしくて笑いが込み上げてくる。しかし、そんな感情もすぐに消え、元の呆然とした自分に戻る。
ふと考える、むしろ終身刑か死刑にでもなったほうがましだったのではないか。どうせ俺なんか。。。
あきらめの気持ちの方が強かった。そうやってずっと生きてきたから。
ふと、ボロ机の上に束になって重ねてある手紙を見る。
兄からの手紙だ。
手紙は一週間に一度の割合で頻繁に送られてきた。面会を拒絶したせいだろう、僕は兄に会うつもりはない。だから、僕たち兄弟の繋がりは、その手紙だけに託されていたとも言える。
最初の頃は中身を読んでいたが、そのうち封を切ることも面倒くさくなって、ほうったままにしていた。
「元気にしてるか?」「出所まで頑張るよ」「からだを大切にな」
いつも同じことばかり書かれていて、しまいには読む気さえなくなった。
それにこの半年、兄からの手紙はぷつりと止んでいる。返事を一度も出していないせいかもしれない。どうせ向こうも飽きれていることだろうと思い、気にも留めなかった。
収監されてそろそろ三年になる。出所の日が近付いていた。
どうせ世間に戻っても、ろくなことはないから。別段その日を心待ちにしているわけではない。ただ、間違いなく迎えに来るであろう兄だけには、会いたくなかった。
こんな惨めな姿を見られたくない。それが最後に残された僕のプライドだったから。


3 . 幼い日の記憶
子供の頃から、兄は学力優秀でスポーツ万能、性格は温厚で、誰からも好かれ、親にも将来を期待されていた。
まさに、非の打ちところのない人間のように思われていた。
それに比べ僕は、典型的な駄目な人間だった。
勉強嫌いで、学校にもろくに行かず、部屋に引き篭もることが多い子供だった。
それは、大人になった今も変わっていないことに気付かされたのが今回の事件だった。
幼い頃は仲のいい兄弟だった。五つ年上の兄はとても優しく、そして本当に僕をかわいがってくれた。
幼稚園から小学校にかけては、いつも兄がそばにいて、遊んでくれた記憶がある。
放課後は日が暮れるまで、学校のグランドや近くの公園で遊んだ。
ブランコを押してくれる兄、滑り台の上で躊躇する僕に、下から「さあ、おいで」と両手を広げて見守ってくれる兄、鉄棒で逆上がりのできない僕に一生懸命教えてくれる兄。
日曜日には必ずと言っていいほど出かけた。大概は探検と称する遠出か、近くの沼でザリガニを釣って遊んだ。
二人で映画も見に行った。とくに怪獣ものが僕はお気に入りだった。兄は他に見たい映画があっても、何を見るかはいつも僕の好きにさせてくれた。そして、遊び疲れて帰る僕たちを、いつも笑顔の母が迎えてくれた。
いつだったか、兄と二人で草むらを歩いていると、いきなり五六匹の野犬に囲まれてしまったことがある。僕が小学校に入学したばかりで、兄が六年生の時だったと思う。
犬はすごい唸り声を上げて、まるで狂犬のようだった。
思わず兄の背中にしがみ付いて泣き出しそうになったら、兄が後ろ手に僕を抱きしめてくれた。
「兄ちゃん、怖いよ」と叫んだら、兄は「声を出さないで」と小さく強い口調で言った。兄は左手で僕の手を強く握り、背中にかばいながらゆっくりと歩き出した。兄は右手で拳を握り、野犬の攻撃に備えた。
その手はわずかに震えていたように思う。兄は野犬と目を合わさないように、前方をキっと睨んだままゆっくりと時間をかけて前進した。その僕たちにめぐって、野犬が吠えたてる。
僕は兄の手をぎゅっと握り、背中に張りつくようにして、歩調を合わせた。まるで石にでもなったかのような感覚でゆっくり前に向かって移動していく。
それは気が遠くなるほど長い時間で、僕は何度も気を失いかけた。その度に兄が強く僕の手を握り、僕は我に返った。
とにかく相手を刺激しない、それが兄のとっさの判断だったように思う。そしてその作戦は見事に成功し、野犬は僕たちを追っては来なかった。
それでも、野犬の姿が見えなくなるまで僕たちはゆっくり移動した。
大分来たところで、もう大丈夫だと判断した兄が、「ふう」と言って草むらに倒れこむように寝そべった。僕も一気に緊張が解け、兄に覆いかぶさって、「兄ちゃん、兄ちゃん」と声を上げて泣きじゃくった。
そんな僕を兄は抱きしめながら、「もう大丈夫だ、本当に怖かったな」と言って、今度は声に出して笑った。
僕を安心させたかったのだろう、兄は僕の頭を撫でながら、ずっと笑っていた。
この時はそんな兄が大好きだった。


4 . 兄への嫉妬
それがいつの頃からか、何かが変わってきたことに気付いた。僕が小学校高学年、兄が中学生の時だったように思う。いつも兄と比較されていることに。
お兄ちゃんは本当に頭がいいのに、気のつく優しい子なのに、しっかりした子なのに、家の手伝いもよくするのに。。
それらの言葉はすべて僕に向けられているようで、ひどく悲しくなった。母だけでなく、近所の人全員がそう言っているように思えてしかたなかった。
とくに父親の態度は厳しかった。学期末の成績表を差し出した時のことだった。クラスでも後ろから数えた方が早いほど、ひどい成績だった。
父親は烈火のごとく怒った。「お前はなんてだらしないんだ、勉強もせずに何をやっていたんだ?少しは兄ちゃんを見習え!」
父親の平手が飛んできて、僕はもんどり打った。床に打ちつけた頭が痛くて、思わず泣き出すと、父はますます怒った。
「この泣き虫め、そんなだから学校でもいじめられたりするんだ!」
確かに、この時は学校でもひどいいじめに遭っていた。元々気が弱く、大人しい性格の僕は絶好のターゲットになっていた。
登校すれば上履きがない、机の上には「死ね」の落書き、教科書もゴミ箱に捨てられた。休み時間にはトイレに閉じ込められた。授業に出られなかったことを教師にひどく叱られた。
それでも、僕はいじめに遭っていることを誰にも言えなかった。仕返しがこわかったからだ。いじめがもっとひどくなることが恐ろしかったからだ。
兄と一緒だった低学年の頃は、誰にもいじめられなかった。いつでも兄が守ってくれたし、睨みをきかせてくれていた。
しかし、兄が卒業すると同時に、いじめは始まった。家に帰っても親にいじめられている気がして、悲しくてしかたなかった。父親に怒鳴られている時も涙が止まらず、ますます父の怒りをあおった。
「父さん、その辺で許してやってくれないか」兄が見かねて口を出した。
すると、父は「まったく、意気地なしめ!」と捨て台詞を吐くようにして自分の書斎へと入っていた。
この時はじめて、兄に対する嫉妬心が生まれた。確かに、父親の暴力からは救ってくれた。それは、あの幼い頃の野犬の時と同じだった。でもそれよりも、あの父親に対してさえ兄の意見が通ることに、僕は心から絶望に似た感情を持った。
「大丈夫か」いつもの優しい兄の声だったが、それすらも辛くて、兄の差し伸べる手を振り払って叫んだ。
「ほっといてよ、どうせ僕は勉強もできない駄目な子なんだ。」
階段を駆け上がり、自分の部屋に入って布団を被って泣いた。この時ほど兄を憎らしく思ったことはなかった。兄はもはや僕にとって正義のヒーローではなかった。
あまりに惨めな自分がかわいそうに思えて、また泣いた。
この日をきっかけに、僕は部屋に閉じこもるようになり、兄ともほとんど口を聞かなくなった。部屋で一人ゲームをしている時間だけが、僕を癒してくれた。
学校に行ってもいじめられる、学校に行かなければ父親に殴られる。だから僕は学校に行くふりをして、近くの公園で一人ぶらぶらすることが多くなった。しかしそれも担任からの連絡ですぐにばれ、また父親に殴られた。
とうとう僕は部屋から一歩も出なくなった。腹が減ったら家の金を持ち出し、お菓子や弁当を買って部屋で食べた。母親や兄がいくらドア越しに声をかけても、返事さえしなかった。夜には父親が帰ってきて、すごい剣幕でドアを叩くが、僕はそれさえも無視した。
やがて誰も僕に声すらかけなくなった。


5 . 父の死…居場所がない
中学に入った頃、突然父親が倒れ、そのままこの世を去った。診断では過労による急性心不全ということだった。
葬式の日、多くの参列者が訪れ、口々に父のことを「頑張り屋だった」「部下の面倒見のいい優秀な上司だった」「家族思いだった」という囁く声が耳に入った。
僕にはどの言葉も嘘で、でたらめにしか思えなかった。葬式の間中、涙の一粒もこぼれなかった。悲しいという感情が生まれてこなかった。むしろどこか解放されたような気分にさえなっていた。
葬式が終わって、「これからは親子三人で力を合わせて生きていこう」と兄が言った。僕は返事をしなかった。母は兄にしがみ付いて泣きながら「うん、うん」と相槌を打っていた。母は病弱だったため、兄は自分がしっかりしなければという決意を固めているようだった。しかし、そんな光景も僕にはまったく関係ないことのように思えてしかたなかった。
母さんは僕を当てになんかしていない、それが正直な感想だった。
そして、一年も経った頃、僕は家の廊下で偶然母と兄が今後について話し込んでいるところを聞いてしまった。兄は大学への進学をあきらめ、就職することに決めたという。それを聞いて、母が泣いていた。「お父さんが生きていれば、お前も進学して好きな勉強に打ち込めただろうに」と言ってまた啜り泣いた。
兄が母を慰める。「大丈夫だよ母さん、心配しないで、勉強なんかいつでもできるから。今は生活の方がよっぽと大切だよ。」
それを聞いて、母は「ごめんね、ごめんね」と何度も兄に詫びていた。そして「あの子もあんなんじゃなければ」という母の言葉に僕はたまらなくなって、家を飛び出した。
あの家に僕の居場所はない。それどころか、存在すらしていない。もう、涙も出なかった。
それ以来僕は家に帰ることをやめた。


6 . 自由の日々
まだ中学生だった僕は仲間の家を転々として歩いた。好都合なことに、この頃は悪い連中と付き合うようになっていて、寝泊りする場所に困ることはなかった。
連中と一緒にいることが自分が孤独なことを忘れさせてくれた。
暴走族の集団の中で、町を突き抜ける快感にも酔いしれた。気に入らない奴はぶん殴ればすかっとして爽快な気分になった。金がなければ盗めばよかった。集団で行動すれば怖いものは何もないことを知った。まだ下っ端だったが、上に素直に従ってさえいれば守ってもらえた。
これが自由というものなんだ。僕は心の底からそう思えた。
ある時、仲間の一人から捜索願いが出ていることを聞かされた。「お前の親ずいぶん捜してるみたいだぜ”。」
とっさに兄の顔が思い浮かんだ。「はっ、関係ねえよ」
僕は無免許のバイクを思いっきり走らせた。家族のことはもう考えたくなかった。
家に帰らないまま、年月は瞬く間に過ぎ、僕はとうに二十歳を超えていた。この頃は暴力団の構成員にまでなっていた。
とにかく、上の命令に従ってさえいれば生きていける。それが唯一人生で学んだことだった。そのために、どんな悪いことに手を染めても、心はちっとも痛まなかった。
いじめられっ子だった自分がいじめる側に回っている。そんなことを考えては苦笑した。
「俺なんかには、お似合いの人生だ」酒を飲んで酔った時の口癖になっていた。


7 . 兄との再会…母の死
ある夜、一人で酔って街中を歩いていると、すれ違いざまに僕の名前を叫んだ奴がいた。聞き覚えのある声にぎょっとした。僕はとっさに走り出した。
「待って!」その声が追ってくる。僕は必死に逃げたが、酔っているせいもあって、袋小路に逃げ込んだところをすぐに捕まった。心臓がどくんどくんと音を立てて波打つ。見覚えのある顔がすぐ目前に迫った。
「お前、いったい何をしている。」
僕は顔を背けた。「兄貴こそ、なんでこんなところをうろついているんだ。この辺は危ないぜ。」
兄は僕をじっと見せながら言った。「母さんが死んだ。」
「?!」はっとして兄の顔を見た。
「お前が家を出ていってから、毎日のように泣いていた。いつ帰ってきてもいいようにお前の分の食事を毎日作っていた。毎日お前の分の寝床を作って、そして熱にお前が帰ってくるのを待っていたんだ。そしてそのうち、床に臥せるようになり、とうとう。。。」
僕は呆然と兄の言葉を聞いていた。「母さんが死んだ。。。?」
まだ幼い頃の記憶にある優しかった母の面影が脳裏に浮かび、思わず涙がこぼれそうになった。
それを兄に見られたくなくてまた顔を背け、自分でも思いもよらない言葉を口にした。
「それも俺のせいだって言いたいのか?」
「なに?」兄の形相が変わった。
僕はふてくされたように言った。「だって、そうだろう?兄貴は優秀だったけど、俺はいつも家族の重荷でしかなかった。俺が出ていったのも、口減らしてちょうどよかったんじゃないのか?」
「バカやろー!」言うが早いか、兄の鉄拳が僕の顔面に飛んできた。
「くわああ!」その勢いで一度は吹っ飛んだが、すぐに体勢を立て直し、兄狙って突進した。
喧嘩じゃもう誰にも負けない。兄貴にだって。。。そんな自負もあってのことだったが、兄の顔を見たとたん、体が動かなくなった。
「バカやろー!」また兄の鉄拳を浴びた。目を真っ赤にして泣きはらした顔で拳を振るう兄。こんな兄の顔は一度だって見たことがない。殴られたのさえはじめてだった。
顔の痛みは心の痛みに変わった。今度は全力でその場を逃げ出した。
「待って!」という兄の叫びが再び聞こえる。その声からとにかく逃れたかった。声が聞こえなくなるまで全力で街を駆け抜けた。
僕は呆然としながら、夜の街をとぼとぼと歩いた。もう兄の声は聞こえない。
「母さんが、死んだ。。。?」涙があふれて止まらなかった。ついには道端にしゃがみ込んで、人目も憚らずに泣いた。「俺の。。。俺のせいで。。。」
兄は僕を追い詰める意味で言ったんじゃない。それはわかっていた。でも、病弱な母を死に追いやったのは間違いなく自分だと思った。そして、現実から目を背けるようにまた逃げ出した自分がここにいる。
「所詮。。。俺は駄目な人間なんだ。。。」目の前のバーに入って、カウンターで酒をあおった。いくら飲んでも酔えない。それに飲めば飲むほど悲しみが深くなる。そのうち、だんだんと意識が薄れてきた。


8 . ふしぎ工房
「あっ。。。」ふと目を覚ますと、見知らぬ部屋の中にいた。
ついさっきまでバーで飲んでいたはずなのに、と考えながら辺りを見回すと、なんだか薄暗い倉庫の中のように思えた。
「ここは。。。」なんで自分はこんな所にいるんだろうと首を傾げていたら、ふいに「ご注文は?」という子供の声が聞こえた。
はっとして前を見たら、大机があって、その向こうにまだ小学生くらいの女の子がいた。
少女はまた、「ご注文は?」と繰り返した。
「注文?一体ここはどこなんだ?何を売ってるんだ?」怪訝そうにしている僕に、少女は「ここは不思議工房よ、幸せを売っているの」と答えた。
「不思議工房?幸せ?そんな物どうやって売ってるんだ?」
少女は紙と鉛筆を差し出し、それに願いを書けという。
「願い?そんなもの、今の俺にはねえよ。」
そう言うと少女は「じゃあ、お帰りなさい」と冷めた声で言った。
すると僕の意識はまた急に遠のいた。
はっとして顔を上げると、そこは今まで飲んでいたバーのカウンターだった。なんだか呆気にとられた気分だった。いつの間にか眠ってしまったらしい。
「チっ、つまらない夢を見ちまったな。」もう今日は帰って寝ようと思い、バーを出たところで通行人の肩にぶつかった。そしらぬふりして通り過ぎようとしたそいつに、俺は言った。
「おい、挨拶なしかよ。」
そして、あの事件が起こった。


9 . 出所の日
三年が瞬く間に過ぎ、出所を迎えた日のこと。
刑務所を背にして、最初に僕が見たのは、小さな女の子の姿だった。
「あっ、お前は。。。」とっさに僕は息を呑んだ。あの事件の直前にバーのカウンターで見た夢を思い出した。
そんな馬鹿な。。。あれは夢じゃなかったのか。。僕はまじまじと少女の顔を見た。間違いない、あの夢に出てきた女の子だ。いや、たとえ夢じゃなかったにせよ、なぜあの子はここに?
頭が混乱して、どう対処していいのかわからなかった。その時、「さあ、お兄さんのところに行きましょう」と少女が言った。
僕ははっとなった。そこではじめて、兄の姿が見当たらないことに気付いた。僕はついかっとなって叫んだ。「冗談じゃない!あいつも俺を見放したんだ。なのになんで俺があんな奴のところに行かなきゃならない。顔も見たくないのに。」
すると少女は飽きれた顔をしながら、「お兄さんは来たくても来れないの」と言った。
「なんだそりゃ?どういう意味だ?みんなして俺をバカにしてるのか!」頭にきて力いっぱい叫んだら、急に周りが暗くなった。貧血でも起こしたのかと考えている間に、ふと気が遠のいた。


10.最後の手紙
それはほんのわずかな瞬間だったような気がする。はっと意識を取り戻した僕の前に、あの少女が立っていて、「こっちよ」と言いながら歩き出した。
「ここは。。。」確かについ先ほどまでは刑務所の前にいた。ところが、いつの間にか木々に囲まれた墓地の前にいた。兄は墓参りをしているのかと思って、少女の後を追った。
「おい、待ってよ!」僕の声には耳を貸さず、少女はどんどん奥の方へと足を進め、ある墓石の前で止まった。
「ここよ」という少女の言葉に僕は戸惑った。両親の眠る墓かもしれないと思ったが、その前には誰もいない。
どういうことだ、苛立つ僕に少女は「お兄さんもここにいるの」と言った。
僕ははっとした。「まさか。。。」
墓石にすがりつき、目をよく凝らすと、確かに父と母の名前が刻まれていた。そして、その横に並ぶ兄の名前を見つけた時、僕は愕然として膝を落とした。
「なぜ、なぜなんだよ。。どうして、兄貴まで死ななきゃならないんだよ。」
呆然とする僕に、少女が言った。「お兄さんはお母さんを看病しながら一生懸命働いたの。あなたのことも必死に探したの。でも、無理をしすぎちゃってからだを壊した。それでもあなたを探すことを止めなかった。お母さんがなくなった後、たった一人の肉親だからって言って。そして、あの夜ついにあなたを見つけた。」
少女の言葉にあの夜の出来事が一瞬にして蘇った。僕の名前を叫び続ける兄の声が頭の中を駆け巡る。その声から逃げ出した自分に対する後悔の念と絶望感に胸が張り裂けそうになった。
「うわあああああー」僕は叫びながら、のたうちまわるように墓の前で転げまわった。兄を殺したのは僕だ、母だけでなく、兄さえも。。。「うわあああああー!!!」
地面に何度も頭を打ち付けた、血がとくとく流れ出すのも構わずに。そのままうずくまっていた僕はあることを思いたって、ふらりと立ち上がった。みんなが死んで、こんなろくでなしが生きている道理はない。もう僕には生きている価値さえない。
ふいに少女が「死ぬの?」と言った。僕はぽつりと答えた。「俺の勝手だろ、もうほっといてくれ。」
すると少女は一通の封筒を差し出した。それは僕宛の兄からの手紙だった。僕はあっと息を呑むと、急いで封を切り、震える手で手紙を読んだ。
元気にしているか。お前の出所の日までは頑張ろうと思ったが、どうやら間に合いそうもない。恐らくこれが最後の手紙になると思う。少し無理をしすぎたせいかもしれない、直接会って話したかったが、お前は面会に応じてくれなかったしな。だから、ここで言う。お前にはいつも辛い思いをさせてきてすまなかった。その償いもせず、そしてお前を一人にしていく俺も許してくれ。ただ、俺の分まで精一杯生きてほしい。後、父さんと母さんのことも許してやってくれ、口では何を言っても、それは全部お前のためだと信じていたからなんだ。それと、最後にひとつ、お前はまだ自分のことがわかっていない。お前には十分な可能性と未来がある。それを忘れるな。頑張ればできると信じている、俺のたった一人の肉親だから。いつでも見守っている、絶対に幸せになれ。愛する弟へ。兄より。
手の震えが止まらなかった。すると封筒の中から、するりと何かが落ちた。慌てて拾い上げると、それは僕名義の預金通帳だった。そばに印鑑もおちしている。
震える手で通帳を開くと、印字してある数字にぎょっとした。「一。。千。。万。。」思わず墓石にしがみ付き、泣いた。
「なんだよ。。。どうしてだよ。。。どうしてこの金を自分のために使わなかったんだよ。。。俺みたいなくずのために残したって、意味ねえよ。。。なんでそうやっていつも自分を犠牲にするんだ?俺みたいな。。。俺みたいな奴のために。。。」
涙があふれて止まらなかった。声がうわずって、それでも声を振り絞って泣いた。
「兄さん。。。あああああああああー」


11.本当の気持ち
ずいぶんと長い時間墓の前で泣いていたように思う。気付くとすっかり日が暮れかかっていた。ようやく少女のことを思い出し、周りを見回したが、もうどこにも姿はなかった。
ふと足元に請求書と書かれた白い封筒が落ちていることに気付いた。
これは。。。封を切って中身を取り出すと、そこには次のような文章が書かれていた。
注文はあなたのお兄さまからすでにいただいております、よってあなたへの請求はございません。弟に幸せになってほしいと願うお兄さまの気持ちに、あなたが応えることを願ってやみません。――不思議工房。
兄さんもあそこへ行ったのか、ぽそっと呟いたらまた涙がこぼれた。そしてはじめて自分の気持ちに気づいた。本当は兄を恨んでいたわけじゃない、憎んでいたわかじゃない。ただ甘えたかっただけなのだ。自分を見つめてほしかったのだと。
「兄さん。。。また来るから。。。」僕はそっと腰を上げ、その場を後にした。


12.epilogue
そして数ヶ月後、僕はある工場で働いている。前科者ということで、なかなか職にあり付くことができなかったが、この会社の社長が僕のことを気に入ってくれて雇ってくれた。
兄のことも話したら、「お兄さんのためにも頑張りなさい」と言って励ましてくれた。
僕が怪我を負わせた人の所にもお詫びに行った。会ってくれないかもしれないと思っていたら、快く迎えてくれたことに内心驚いた。
先に手を出した自分にも非があるとさえ言って逆に詫びられた。聞けば、事件を起こした直後に兄が訪ねてきて、どげざまでして謝ったらしい。
その時は許さないといきまいていたその人と家族も毎日見舞いに来る兄の姿を見るにつけ、怪我が快方に向うと同時に、冷静に考えることができるようになったという。お兄さんは元気ですかという問いに、兄はなくなりましたと答えると、その人は「そうですか」と言ったきり、残念そうに黙って俯いた。
しばらくして僕は封を切らずにいた兄の手紙にようやく目を通した、それまではとてもそんな気になれなかったが、少し落ち着いてきたこともあって、兄の言葉に触れたくなった。
予想通りだったが、やはりそこには僕を気づかう言葉ばかりで、自分のからだのことについては何も触れられていなかった。まったく兄らしいと思うと胸が熱くなった。
でも、僕は強く生きる。兄さんが僕の心の中にいるから、そしていつまでも僕の正義のヒーローだから。

posted on 2008-05-29 13:29 滄炎沁夢 阅读(1303) 评论(9)  编辑  收藏 所属分类: 剧本听写 网摘收藏

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2008-05-30 11:52 | tracy81
赞一个
神谷偶也超有爱呀
不过心有余而力不足呢

LZ有空的话中文翻译一下呢.偶的日语实在是...

  回复  引用    
2008-05-30 11:54 | 宵待雨月
老大,你终于更新了!!!
  回复  引用    
2008-05-31 22:50 | cow
强人终于回归喇(^o^)/
  回复  引用    
2008-06-01 02:07 | asfog
听萤说有人在碟出了几个小时的时候就听写好了,原来是沧炎啊...太强了OTZ
我到昨天才拖完这张碟听....
话说没有预期的好...感觉角色定位实在是跟想像的大不一样..
而且神谷用的声线也不是我最喜欢的那种.....
MA,出了就很不错啦.....不再吹毛求疵了>_<
  回复  引用    
#5楼[楼主]
2008-06-02 00:08 | 滄炎沁夢
asfog亲~好久不见啊~~
亲也回归沪江了么^^
听写其实还算轻松的说。。
就等着亲的翻译了~~
  回复  引用    
2008-06-04 21:40 | 雪ちゃん
非常的羡慕中...
我只是早晨上班途中坐车听了后,晚上回来写概要。
只是写了概要而已...而且自己的日语水平也有限,才学了一年,我已经比较知足了~笑~
虽然现在总是听第一遍的时候朦朦胧胧的明白意思了,基本到了第二遍的时候就故事情节就理顺了,第三遍开始听细节了...
所以,如果不介意,请给我指点一下吧,谢谢了!
  回复  引用    
2008-06-10 14:41 | 宵待雨月
亲要把音频放上来啊,期待~~~~谢谢啦
  回复  引用    
#8楼[楼主]
2008-06-17 01:55 | 滄炎沁夢
雪ちゃん:
亲的概要写的不错啊~~
我以前只写过一点动画的概要。。drama的还没写过呢。。
亲坚持写下去喔~日语写作能力肯定提高的很快~~

宵待雨月:
嗯~~这个月内会放上来的~
  回复  引用    
#9楼[楼主]
2008-06-27 04:16 | 滄炎沁夢
音频已在随心听小组放出~
大家去下吧~~
http://bulo.hjenglish.com/group/topic/116769/
  回复  引用    

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该文被作者在 2008-06-27 04:22 编辑过