「驕(おご)れる者は久しからず」は古来不変のことわりだが、豊臣秀吉は「驕らずとても久しからず」と、皮肉めかして世の常を言い表したと伝えられる。米国の金融業界がどちらだったかは知らない。いずれにせよ、複雑な「錬金術」にかまけた果ての、大証券会社の破綻(はたん)である。

リーマン・ブラザーズの負債総額は実に60兆円を超え、過去最大の破綻になった。他の金融大手への連鎖も心配されている。「フー イズ ネクスト(次はどこだ)?」と、ニューヨークの金融街などは戦々恐々らしい。

業界は90年代から、グローバル化に乗って新たな金融商品を次々に作った。そこへ、世界中で余っているカネが流れ込んだ。巨万の富を生み「わが世の春」を謳(うた)っていたが、商品の一つのサブプライムローンでつまずいた。

先行きへの不安から、米国内には「暗黒の木曜日」になぞらえる声も起きているという。1929年のその日、大恐慌の引き金になった株暴落が始まった。このときも「金ぴか時代」と言われた空前の繁栄から、坂道を転がっていった。

東洋的な無常観とは無縁だったか、当時のフーバー大統領は永遠の繁栄を国民に約束していた。「どの家にも2台の車を」を標語に選挙に勝った。だが失業者があふれ、期待は恨みに取って代わられた。

今、米国に引きずられるように世界経済は変調を来している。専門家によれば、このうえドルが暴落するのが最悪のシナリオらしい。株や投資に熱心な向きはなおのこと、対岸の火事を決め込める状況では、もうないようである。
网摘收藏posted on 2008-09-17 10:35 ivyrainy 阅读(21) 评论(0)  编辑  收藏 所属分类: 天声人语泛读


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