もう十数年も前になる。北京のCD店に、「日本からの輸入盤」を並べた一角があり、そこで「南ニラせつ」なるジャケットが目についた。はて?と手に取ると、フォーク歌手の南こうせつさんのアルバムである。
どうやら海賊版のジャケットを作るとき、「こうせつ」の「こう」を、よく似たカタカナの「ニラ」と取り違えたらしい。憎めぬ馬脚の現しように、苦笑させられたのを思い出す。
カナは苦手でも、こちらは「さすがは漢字の国」と言うべきか。青森に似た「青ビョウ(品の口がそれぞれ水)」なる商標が中国で申請されたと、先日の紙面にあった。間違えたのではなく、承知の上である。中国では青森リンゴの人気が高いと聞けば、意図はおおむね察しがつく。
岩手県の南部鉄器も、「南部鐵器」と旧字を使って登録申請されていた。松阪牛も「松坂牛」とやられた。「九谷焼」など本名そのままも含め、日本の地域ブランドや地名が次々に申請されている。
漢字は2千年ほど前に日本に伝えられた。恩に思うが、里帰りよろしく「商標漁(あさ)り」をされてはかなわない。登録されると、中国で同じ商標を使うのは難しい。その名で粗悪品が出回れば本家の信用にもかかわる。関係する日本の自治体などは、異議を申し立てて防戦に追われている。
知的財産の保護をめぐって、中国はとかく国際社会の評判がよろしくない。紙に火薬、活字から羅針盤まで、多くの発明品を広めてきた国である。大いなる「知的財産」の恩恵には感謝しつつ、今は今。ブランドただ乗りのあこぎな商魂は、いただけない。
网摘收藏posted on 2008-09-18 16:26
ivyrainy 阅读(37)
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天声人语泛读