どんぐりと山猫
宮沢賢治
おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。
かねた一郎さま 九月十九日
あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。
あした、めんどなさいばんしますから、おいで
んなさい。とびどぐもたないでくなさい。
山ねこ 拝
こんなのです。字はまるでへたで、墨(すみ)もがさがさして指につくくらいでした。けれども一郎はうれしくてうれしくてたまりませんでした。はがきをそっと学校のかばんにしまって、うちじゅうとんだりはねたりしました。
ね床(どこ)にもぐってからも、山猫のにゃあとした顔や、そのめんどうだという裁判のけしきなどを考えて、おそくまでねむりませんでした。
けれども、一郎が眼(め)をさましたときは、もうすっかり明るくなっていました。おもてにでてみると、まわりの山は、みんなたったいまできたばかりのようにうるうるもりあがって、まっ青なそらのしたにならんでいました。一郎はいそいでごはんをたべて、ひとり谷川に沿ったこみちを、かみの方へのぼって行きました。
すきとおった風がざあっと吹(ふ)くと、栗(くり)の木はばらばらと実をおとしました。一郎は栗の木をみあげて、
「栗の木、栗の木、やまねこがここを通らなかったかい。」とききました。栗の木はちょっとしずかになって、
「やまねこなら、けさはやく、馬車でひがしの方へ飛んで行きましたよ。」と答えました。
「東ならぼくのいく方だねえ、おかしいな、とにかくもっといってみよう。栗の木ありがとう。」
栗の木はだまってまた実をばらばらとおとしました。
一郎がすこし行きますと、そこはもう笛(ふえ)ふきの滝(たき)でした。笛ふきの滝というのは、まっ白な岩の崖(がけ)のなかほどに、小さな穴があいていて、そこから水が笛のように鳴って飛び出し、すぐ滝になって、ごうごう谷におちているのをいうのでした。
一郎は滝に向いて叫(さけ)びました。
「おいおい、笛ふき、やまねこがここを通らなかったかい。」
滝がぴーぴー答えました。
「やまねこは、さっき、馬車で西の方へ飛んで行きましたよ。」
「おかしいな、西ならぼくのうちの方だ。けれども、まあも少し行ってみよう。ふえふき、ありがとう。」
滝はまたもとのように笛を吹きつづけました。
一郎がまたすこし行きますと、一本のぶなの木のしたに、たくさんの白いきのこが、どってこどってこどってこと、変な楽隊をやっていました。
一郎はからだをかがめて、
「おい、きのこ、やまねこが、ここを通らなかったかい。」
とききました。するときのこは
「やまねこなら、けさはやく、馬車で南の方へ飛んで行きましたよ。」とこたえました。一郎は首をひねりました。
「みなみならあっちの山のなかだ。おかしいな。まあもすこし行ってみよう。きのこ、ありがとう。」
きのこはみんないそがしそうに、どってこどってこと、あのへんな楽隊をつづけました。
一郎はまたすこし行きました。すると一本のくるみの木の梢(こずえ)を、栗鼠(りす)がぴょんととんでいました。一郎はすぐ手まねぎしてそれをとめて、
「おい、りす、やまねこがここを通らなかったかい。」とたずねました。するとりすは、木の上から、額に手をかざして、一郎を見ながらこたえました。
「やまねこなら、けさまだくらいうちに馬車でみなみの方へ飛んで行きましたよ。」
「みなみへ行ったなんて、二(ふた)とこでそんなことを言うのはおかしいなあ。けれどもまあもすこし行ってみよう。りす、ありがとう。」りすはもう居ませんでした。ただくるみのいちばん上の枝(えだ)がゆれ、となりのぶなの葉がちらっとひかっただけでした。
一郎がすこし行きましたら、谷川にそったみちは、もう細くなって消えてしまいました。そして谷川の南の、まっ黒な榧(かや)の木の森の方へ、あたらしいちいさなみちがついていました。一郎はそのみちをのぼって行きました。榧の枝はまっくろに重なりあって、青ぞらは一きれも見えず、みちは大へん急な坂になりました。一郎が顔をまっかにして、汗(あせ)をぽとぽとおとしながら、その坂をのぼりますと、にわかにぱっと明るくなって、眼がちくっとしました。そこはうつくしい黄金(きん)いろの草地で、草は風にざわざわ鳴り、まわりは立派なオリーブいろのかやの木のもりでかこまれてありました。
その草地のまん中に、せいの低いおかしな形の男が、膝(ひざ)を曲げて手に革鞭(かわむち)をもって、だまってこっちをみていたのです。
一郎はだんだんそばへ行って、びっくりして立ちどまってしまいました。その男は、片眼で、見えない方の眼は、白くびくびくうごき、上着のような半纒(はんてん)のようなへんなものを着て、だいいち足が、ひどくまがって山羊(やぎ)のよう、ことにそのあしさきときたら、ごはんをもるへらのかたちだったのです。一郎は気味が悪かったのですが、なるべく落ちついてたずねました。
「あなたは山猫をしりませんか。」
するとその男は、横眼で一郎の顔を見て、口をまげてにやっとわらって言いました。
「山ねこさまはいますぐに、ここに戻(もど)ってお出(で)やるよ。おまえは一郎さんだな。」
一郎はぎょっとして、一あしうしろにさがって、
「え、ぼく一郎です。けれども、どうしてそれを知ってますか。」と言いました。するとその奇体(きたい)な男はいよいよにやにやしてしまいました。
「そんだら、はがき見だべ。」
「見ました。それで来たんです。」
「あのぶんしょうは、ずいぶん下手だべ。」と男は下をむいてかなしそうに言いました。一郎はきのどくになって、
「さあ、なかなか、ぶんしょうがうまいようでしたよ。」
と言いますと、男はよろこんで、息をはあはあして、耳のあたりまでまっ赤になり、きもののえりをひろげて、風をからだに入れながら、
「あの字もなかなかうまいか。」とききました。一郎は、おもわず笑いだしながら、へんじしました。
「うまいですね。五年生だってあのくらいには書けないでしょう。」
すると男は、急にまたいやな顔をしました。
「五年生っていうのは、尋常(じんじょう)五年生だべ。」その声が、あんまり力なくあわれに聞えましたので、一郎はあわてて言いました。
「いいえ、大学校の五年生ですよ。」
すると、男はまたよろこんで、まるで、顔じゅう口のようにして、にたにたにたにた笑って叫びました。
「あのはがきはわしが書いたのだよ。」
一郎はおかしいのをこらえて、
「ぜんたいあなたはなにですか。」とたずねますと、男は急にまじめになって、
「わしは山ねこさまの馬車別当(べっとう)だよ。」と言いました。
そのとき、風がどうと吹いてきて、草はいちめん波だち、別当は、急にていねいなおじぎをしました。
一郎はおかしいとおもって、ふりかえって見ますと、そこに山猫が、黄いろな陣羽織(じんばおり)のようなものを着て、緑いろの眼をまん円にして立っていました。やっぱり山猫の耳は、立って尖(とが)っているなと、一郎がおもいましたら、山ねこはぴょこっとおじぎをしました。一郎もていねいに挨拶(あいさつ)しました。
「いや、こんにちは、きのうははがきをありがとう。」
山猫はひげをぴんとひっぱって、腹をつき出して言いました。
「こんにちは、よくいらっしゃいました。じつはおとといから、めんどうなあらそいがおこって、ちょっと裁判にこまりましたので、あなたのお考えを、うかがいたいとおもいましたのです。まあ、ゆっくり、おやすみください。じき、どんぐりどもがまいりましょう。どうもまい年(とし)、この裁判でくるしみます。」山ねこは、ふところから、巻煙草(まきたばこ)の箱(はこ)を出して、じぶんが一本くわえ、
「いかがですか。」と一郎に出しました。一郎はびっくりして、
「いいえ。」と言いましたら、山ねこはおおようにわらって、
「ふふん、まだお若いから、」と言いながら、マッチをしゅっと擦(す)って、わざと顔をしかめて、青いけむりをふうと吐(は)きました。山ねこの馬車別当は、気を付けの姿勢で、しゃんと立っていましたが、いかにも、たばこのほしいのをむりにこらえているらしく、なみだをぼろぼろこぼしました。
そのとき、一郎は、足もとでパチパチ塩のはぜるような、音をききました。びっくりして屈(かが)んで見ますと、草のなかに、あっちにもこっちにも、黄金(きん)いろの円いものが、ぴかぴかひかっているのでした。よくみると、みんなそれは赤いずぼんをはいたどんぐりで、もうその数ときたら、三百でも利(き)かないようでした。わあわあわあわあ、みんななにか云(い)っているのです。
「あ、来たな。蟻(あり)のようにやってくる。おい、さあ、早くベルを鳴らせ。今日はそこが日当りがいいから、そこのとこの草を刈(か)れ。」やまねこは巻たばこを投げすてて、大いそぎで馬車別当にいいつけました。馬車別当もたいへんあわてて、腰(こし)から大きな鎌(かま)をとりだして、ざっくざっくと、やまねこの前のとこの草を刈りました。そこへ四方の草のなかから、どんぐりどもが、ぎらぎらひかって、飛び出して、わあわあわあわあ言いました。
馬車別当が、こんどは鈴(すず)をがらんがらんがらんがらんと振(ふ)りました。音はかやの森に、がらんがらんがらんがらんとひびき、黄金(きん)のどんぐりどもは、すこししずかになりました。見ると山ねこは、もういつか、黒い長い繻子(しゅす)の服を着て、勿体(もったい)らしく、どんぐりどもの前にすわっていました。まるで奈良(なら)のだいぶつさまにさんけいするみんなの絵のようだと一郎はおもいました。別当がこんどは、革鞭(かわむち)を二三べん、ひゅうぱちっ、ひゅう、ぱちっと鳴らしました。
空が青くすみわたり、どんぐりはぴかぴかしてじつにきれいでした。
「裁判ももう今日で三日目だぞ、いい加減になかなおりをしたらどうだ。」山ねこが、すこし心配そうに、それでもむりに威張(いば)って言いますと、どんぐりどもは口々に叫びました。
「いえいえ、だめです、なんといったって頭のとがってるのがいちばんえらいんです。そしてわたしがいちばんとがっています。」
「いいえ、ちがいます。まるいのがえらいのです。いちばんまるいのはわたしです。」
「大きなことだよ。大きなのがいちばんえらいんだよ。わたしがいちばん大きいからわたしがえらいんだよ。」
「そうでないよ。わたしのほうがよほど大きいと、きのうも判事さんがおっしゃったじゃないか。」
「だめだい、そんなこと。せいの高いのだよ。せいの高いことなんだよ。」
「押(お)しっこのえらいひとだよ。押しっこをしてきめるんだよ。」もうみんな、がやがやがやがや言って、なにがなんだか、まるで蜂(はち)の巣(す)をつっついたようで、わけがわからなくなりました。そこでやまねこが叫びました。
「やかましい。ここをなんとこころえる。しずまれ、しずまれ。」
別当がむちをひゅうぱちっとならしましたのでどんぐりどもは、やっとしずまりました。やまねこは、ぴんとひげをひねって言いました。
「裁判ももうきょうで三日目だぞ。いい加減に仲なおりしたらどうだ。」
すると、もうどんぐりどもが、くちぐちに云いました。
「いえいえ、だめです。なんといったって、頭のとがっているのがいちばんえらいのです。」
「いいえ、ちがいます。まるいのがえらいのです。」
「そうでないよ。大きなことだよ。」がやがやがやがや、もうなにがなんだかわからなくなりました。山猫が叫びました。
「だまれ、やかましい。ここをなんと心得る。しずまれしずまれ。」
別当が、むちをひゅうぱちっと鳴らしました。山猫がひげをぴんとひねって言いました。
「裁判ももうきょうで三日目だぞ。いい加減になかなおりをしたらどうだ。」
「いえ、いえ、だめです。あたまのとがったものが……。」がやがやがやがや。
山ねこが叫びました。
「やかましい。ここをなんとこころえる。しずまれ、しずまれ。」
別当が、むちをひゅうぱちっと鳴らし、どんぐりはみんなしずまりました。山猫が一郎にそっと申しました。
「このとおりです。どうしたらいいでしょう。」
一郎はわらってこたえました。
「そんなら、こう言いわたしたらいいでしょう。このなかでいちばんばかで、めちゃくちゃで、まるでなっていないようなのが、いちばんえらいとね。ぼくお説教できいたんです。」
山猫(やまねこ)はなるほどというふうにうなずいて、それからいかにも気取って、繻子(しゅす)のきものの胸(えり)を開いて、黄いろの陣羽織をちょっと出してどんぐりどもに申しわたしました。
「よろしい。しずかにしろ。申しわたしだ。このなかで、いちばんえらくなくて、ばかで、めちゃくちゃで、てんでなっていなくて、あたまのつぶれたようなやつが、いちばんえらいのだ。」
どんぐりは、しいんとしてしまいました。それはそれはしいんとして、堅(かた)まってしまいました。
そこで山猫は、黒い繻子の服をぬいで、額の汗(あせ)をぬぐいながら、一郎の手をとりました。別当も大よろこびで、五六ぺん、鞭(むち)をひゅうぱちっ、ひゅうぱちっ、ひゅうひゅうぱちっと鳴らしました。やまねこが言いました。
「どうもありがとうございました。これほどのひどい裁判を、まるで一分半でかたづけてくださいました。どうかこれからわたしの裁判所の、名誉(めいよ)判事になってください。これからも、葉書が行ったら、どうか来てくださいませんか。そのたびにお礼はいたします。」
「承知しました。お礼なんかいりませんよ。」
「いいえ、お礼はどうかとってください。わたしのじんかくにかかわりますから。そしてこれからは、葉書にかねた一郎どのと書いて、こちらを裁判所としますが、ようございますか。」
一郎が「ええ、かまいません。」と申しますと、やまねこはまだなにか言いたそうに、しばらくひげをひねって、眼をぱちぱちさせていましたが、とうとう決心したらしく言い出しました。
「それから、はがきの文句ですが、これからは、用事これありに付き、明日(みょうにち)出頭すべしと書いてどうでしょう。」
一郎はわらって言いました。
「さあ、なんだか変ですね。そいつだけはやめた方がいいでしょう。」
山猫は、どうも言いようがまずかった、いかにも残念だというふうに、しばらくひげをひねったまま、下を向いていましたが、やっとあきらめて言いました。
「それでは、文句はいままでのとおりにしましょう。そこで今日のお礼ですが、あなたは黄金(きん)のどんぐり一升(しょう)と、塩鮭(しおざけ)のあたまと、どっちをおすきですか。」
「黄金のどんぐりがすきです。」
山猫は、鮭(しゃけ)の頭でなくて、まあよかったというように、口早に馬車別当に云いました。
「どんぐりを一升早くもってこい。一升にたりなかったら、めっきのどんぐりもまぜてこい。はやく。」
別当は、さっきのどんぐりをますに入れて、はかって叫(さけ)びました。
「ちょうど一升あります。」
山ねこの陣羽織が風にばたばた鳴りました。そこで山ねこは、大きく延びあがって、めをつぶって、半分あくびをしながら言いました。
「よし、はやく馬車のしたくをしろ。」白い大きなきのこでこしらえた馬車が、ひっぱりだされました。そしてなんだかねずみいろの、おかしな形の馬がついています。
「さあ、おうちへお送りいたしましょう。」山猫が言いました。二人は馬車にのり別当は、どんぐりのますを馬車のなかに入れました。
ひゅう、ぱちっ。
馬車は草地をはなれました。木や藪(やぶ)がけむりのようにぐらぐらゆれました。一郎は黄金(きん)のどんぐりを見、やまねこはとぼけたかおつきで、遠くをみていました。
馬車が進むにしたがって、どんぐりはだんだん光がうすくなって、まもなく馬車がとまったときは、あたりまえの茶いろのどんぐりに変っていました。そして、山ねこの黄いろな陣羽織も、別当も、きのこの馬車も、一度に見えなくなって、一郎はじぶんのうちの前に、どんぐりを入れたますを持って立っていました。
それからあと、山ねこ拝というはがきは、もうきませんでした。やっぱり、出頭すべしと書いてもいいと言えばよかったと、一郎はときどき思うのです。
某个星期六傍晚,一郎收到一封莫名其妙的明信片。
上面写着:
金田一郎先生:
你最近过得好像还不错,很好,很好。
明天有一场难缠的官司待审,请你务必参加。
不过请别带枪械或弓箭等任何武器来。
山猫 敬启
九月十九日
明信片上的字迹拙劣,粗糙的墨汁也斑斑脱落,沾得满手都是,不过一郎仍高兴得手舞足蹈。他偷偷地将明信片藏在书包里,不停在房里又蹦又跳。
夜晚钻进被窝后,仍不停想象着山猫那喵喵脸,和明天将开庭的所谓难缠官司的情景,迟迟睡不着觉。
当一郎睡醒时,天已经很亮了。他出门一看,只见四周的山峦青翠得像刚出土似的,连绵起伏在蔚蓝的天空下。一郎匆匆吃完早餐,单枪匹马沿着溪谷旁的小径朝上游攀登上去。
清新的晨风迎面吹来,粟子树哗啦哗啦撒了满地的粟子。一郎举头望着粟子树问:
“粟子树,粟子树,你看到山猫从这儿经过吗?”
粟子树稍稍停止了撒粟子,回说:
“山猫啊,今天一大早就乘着马车往东方飞奔去了。”
“东方的话,正是我走的这个方向吧!怎么还没到?再走一段路看看。粟子树,谢谢你。”
粟子树没应声,只再度哗啦哗啦撒起它的粟子。
一郎走了一会儿,来到吹笛瀑布下。那是在一层白色岩石崖壁中间,裂着一个小洞,水从小洞发出吹笛般的声响飞溅而出,再形成一道瀑布轰然坠入谷底的地方。
一郎对着瀑布大喊:
“喂……!吹笛子的,山猫有没有经过这里?”
瀑布哔……哔……地回答:
“山猫刚刚乘着马车往西方飞奔去了!”
“奇怪,西方是我家的方向呢。算了,再往前走看看。吹笛子的,谢谢你。”
瀑布又继续吹着它的笛子。
一郎再往前走了一会儿,来到一株山毛榉树下。树下有一大堆白色草菇,正在叮咚叮咚吹奏着奇妙的曲子。
一郎蹲下身问:
“喂,草菇啊,山猫有没有经过这里?”
草菇回说:
“山猫啊,今天一大早就乘着马车往南方飞奔去了。”
一郎歪着头说:
“南方不是在那边山里吗?真是奇怪。算了,再往前走看看。草菇,谢谢你。”
草菇们不回话,继续吹奏起那奇妙的曲子。
一郎又往前走了一会儿。然后遇见在一株核桃树梢上蹦跳的松鼠。一郎举手招呼松鼠停下来,再问:
“喂,松鼠啊,山猫有没有经过这里?”
松鼠抬起手遮在额头上,从树梢俯望着一郎,回说:
“山猫啊,天还没亮就乘着马车往南方飞奔去了。”
“怎么会是南方?怎么会在两个不同的地方都说是南方呢?算了,再往前走看看。松鼠,谢谢你。”
松鼠早已不见踪影。只是核桃树顶端的树梢微微晃动着,旁边的山毛榉的叶子也闪亮了一下而已。
一郎又往前走了一会儿,不过这道延着溪谷的小径早已越走越狭窄,最后竟断绝了去路。所幸溪谷南方另有一道小径,是通往黑森森的榧子树丛林里。一郎顺着小径往上攀登。黑黝黝的榧子树枝重迭在上空,把青空遮得密不通风,小径坡度也变得很陡。一郎满脸通红,汗流浃背地往上攀爬,突然眼前一亮,亮得甚至有点刺眼。原来他来到一片金黄灿灿的草原,草被风吹得沙沙作响,四周围绕着茂密的橄榄色榧子树树林。
草地中央,有个身材矮小长相怪异的男人,手持皮鞭,屈膝默默望着一郎。
一郎往前挨近,来到男人身旁时不禁大吃一惊顿住脚步。因为那男人是独眼,另一只翻白看不到东西的眼睛,更不停地抽搐着;身上穿着一件类似外套又类似短褂的奇妙上衣,双脚更是弯曲得像山羊脚,而且脚尖竟然是盛饭的饭
勺形状。
“请问你见到山猫没有?”
男人斜眼望着一郎,撇着嘴笑道:
“山猫大人不久就会回来,你是一郎吧?”
一郎暗吃一惊,往后退了一步回说:
“是的,我是一郎。你怎么知道?”
那个怪异男人笑得更深:
“那么,你是收到明信片了?”
“收到了,所以我才来这里。”
“那封信的内容,写得很糟的。”男人低下头难过地说。
一郎有点于心不忍,安慰说:
“是吗?我觉得写得很好呢。”
男人听后高兴得喘着大气,整个脸红到耳根。他敞开上衣的领口,让风灌
进里面。
“那些字是不是也写得不错?”
一郎忍不住笑出声来,回他说:
“写得很漂亮啊!就算是五年级的也写不出那么漂亮的字来呢。”
男人听后,皱起眉头:
“你说的五年级是小学五年级吧?”
声音有气无力,听起来可怜兮兮的。一郎只好急忙回说:
“不不,我说的是大学五年级。”
男人听后又高兴得咧开嘴,笑得彷佛整张脸都是嘴巴一样,再大声欢呼:
“那封明信片正是我写的!”
一郎忍着笑问:
“请问你究竟是谁?”
男人马上正色地回说:
“我是山猫大人的马车夫。”
说完,四周突然刮起一阵劲风,整片草原滚滚起浪,马车夫赶忙恭谨地弯
腰行礼。
一郎纳闷地回头,只见身披黄色斗篷的山猫,正睁大着圆圆的绿眼睛站在身后。一郎正在暗忖,山猫的耳朵果然是尖尖竖立着,山猫却先向一郎点头打招呼。一郎也恭恭敬敬地回个礼:
“你好,谢谢你昨天寄给我的明信片。”
山猫竖直胡须,挺着肚子说:
“你好,欢迎光临。事情是这样的,前天发生一宗很麻烦的争执,我不知道该怎么判决这宗官司,所以想请你来给我们拿个主意。请坐吧,先休息一下,不一会儿橡子们大概也会赶来。我每年都得为了同样的争执而头痛好几天。”
山猫从怀中掏出雪茄盒,自己衔上一支,又将盒子递给一郎:
“要不要来一支?”
一郎吓了一跳,赶忙摇头:
“不不,我不抽。”
山猫心情舒畅地笑说:
“喔,你还太年轻了。”他一边说一边划亮火柴,再故意皱起眉头,喷出一口青烟。山猫的马车夫,毕恭毕敬地立正在一旁,不过却好像在拼命忍耐着想抽烟的诱惑,泪珠簌簌掉落。
这时,一郎听到脚边响起一阵炒盐巴似的爆裂声。他吓了一跳,蹲下身察看,发现草丛里到处都是闪闪发光的金黄色东西。仔细再看,原来都是穿着红色裤子的橡子。数目多得恐怕超过三百个。橡子们哇哇乱叫,好像在争执些什
么。
“喔,来了。像蚂蚁大军似地聚过来了。喂,赶快摇铃。今天前面那块地日照比较好,就将那儿的草全割吧!”山猫弹开手指上的雪茄,匆忙向马车夫交代。马车夫也赶忙从腰际抽出一把大镰刀,大把大把地割起山猫面前那片草地。一割完,四面八方的草丛里即滚出一大堆亮晶晶的橡子,争先恐后地哇啦哇啦一直吵。
马车夫再叮啷叮啷地摇起铃。铃声响澈整个榧子林,金黄橡子们听到铃声后,才稍稍安静下来。再看山猫,只见山猫不知于何时已穿上一件黑缎长衫,煞有介事地坐在橡子们面前。一郎觉得这景象好似一幅众徒在奈良大佛前参拜的画像。马车夫则又咻咻地挥了两三下手中的皮鞭。
天空蔚蓝清澈,橡子们晶莹闪烁着,实在是幅美景。
“今天已是审判的第三天,你们就省事点言归于好算了吧!”山猫面带忧色,却又勉强撑起威风地开口。
橡子们却异口同声地起哄。
“不行!不行!怎么说也应该是头最尖的最伟大!而我的头就是最尖的!”
“不对!应该是头最圆的最伟大!而我的头正是最圆的!”
“最大的才是!最大的才最伟大!我身子最大,所以应该是我最伟大!”
“才不是你!我比你大得多了,昨天法官不也这样说过了?”
“不行!这怎么行?应该是最高的!最高的才最伟大!”
“应该是力气大的!应该比力气决定才对!”
大家你一言我一语,好像戳到蜂窝似的,嗡嗡作响,弄得旁听的人糊里胡涂。
山猫只好叱喝一声:
“吵死了!你们把这里当什么地方看了?肃静!肃静!”
马车夫再度咻一声挥了皮鞭,橡子们才安静下来。
山猫把胡须捻直后,又说道:
“今天已是审判的第三天了,你们就省事点言归于好怎样?”
“不行!不行!怎么说也应该是头最尖的……”
叽叽呱呱叽叽呱呱叽叽呱呱……
山猫再度大吼:
“吵死了!你们把这里当什么地方看了!肃静!肃静!”
马车夫再度挥响皮鞭,橡子们又安静下来。山猫悄悄地问一郎:
“你看到了吧,你说这该如何解决?”
一郎笑着回答:
“那这样好了,你就跟他们说,你们当中最笨的、最丑的、最不象样的才是最伟大的。我曾听过佛经上这样说的。”
山猫恍然大悟地点点头,再装腔作势地敞开黑缎长衫的领口,稍稍亮出里头的黄色斗篷,对橡子们宣布:
“好了,各位安静一下,我要宣判结果了。你们当中最不伟大的、最笨的、最丑的、最不象话的、头最扁的,才是最伟大的。”
橡子们静默无声,个个愣头愣脑地僵立在原地。
山猫见状,赶忙脱下黑缎长衫,一边抹去额上的汗珠,一边拉起一郎的手。马车夫也高兴得将皮鞭咻……咻……地挥了五六下。山猫对一郎说:
“谢谢,真是谢谢。这么难缠的审判,你竟然只花一分半钟就全部解决了。请你往后就当我这个法庭的名誉法官。以后若再接到明信片,能不能劳驾你来一趟?我会每次都备上谢礼。”
“好的,不过不用准备谢礼了。”
“不,这谢礼你一定要收下。这和我的人格有关。还有往后的明信片上,收信人就写金田一郎先生,我这边则自称法庭,你觉得怎样?”
“没问题。”一郎说完,山猫好像还想说什么,眨动着双眼又一直捻着胡须,好半天才下定决心开口:
“还有,明信片上的用辞,以后我就写成:因有事情,请明日务必出庭。这样好吗?”
一郎笑着回答:
“听起来好像有点怪怪的,不要这样写比较好吧。”
山猫似乎感到自己表达得不好,遗憾万千地低着头捻了一会儿胡须,最后才死心地说:
“好吧,辞句就照原来的写好了。至于今天的谢礼,你喜欢一升的黄金橡子,或是咸鲑鱼的鱼头?”
“我喜欢黄金橡子。”
山猫对一郎没选鲑鱼鱼头之事,似乎松了一口气,向马车夫快口吩咐:
“快给我拿一升橡子来!如果不够一升,搀些镀金的进去!快!”
马车夫将刚刚那些橡子装进量筒里,然后大叫:
“正好是一升!”
山猫的斗篷随风啪嗒啪嗒起舞,他大大伸了个懒腰,闭上眼睛,边打呵欠边说:
“好,快去准备马车!”
一辆用白色大草菇做成的马车被牵了过来,而且还有一只灰色的、奇形怪状的马。
“来,让我们送你回家吧。”山猫对一郎说。
两人上了马车后,马车夫再把那升橡子放进马车。
咻!咻!咻!
马车腾空飞离草地。树木与草丛像烟云般袅袅婷婷。一郎低头望着黄金橡子,山猫则假装若无其事地眺望着远方。
随着马车渐行渐远,橡子也逐渐失去黄金色光泽,待马车停下来时,竟都变成平常的茶褐色橡子。而山猫那身黄斗篷、马车夫、草菇做成的马车,也在眨眼间通通消失了。只剩下一郎抱着装满橡子的量筒,站在自己家门口。
那以后,他再也没收到署名山猫敬启的明信片了。一郎有时候会想,如果当时同意让山猫写成“请明日务必出廷”就好了。