水仙月の四日 
                                               宮沢賢治

    雪婆(ゆきば)んごは、遠くへ出かけて居(お)りました。
 猫(ねこ)のような耳をもち、ぼやぼやした灰いろの髪(かみ)をした雪婆んごは、西の山脈の、ちぢれたぎらぎらの雲を越(こ)えて、遠くへでかけていたのです。
 ひとりの子供が、赤い毛布(けっと)にくるまって、しきりにカリメラのことを考えながら、大きな象の頭のかたちをした、雪丘(ゆきおか)の裾(すそ)を、せかせかうちの方へ急いで居りました。
(そら、新聞紙(しんぶんがみ)を尖(とが)ったかたちに巻いて、ふうふうと吹(ふ)くと、炭からまるで青火が燃える。ぼくはカリメラ鍋(なべ)に赤砂糖を一つまみ入れて、それからザラメを一つまみ入れる。水をたして、あとはくつくつくつと煮(に)るんだ。)ほんとうにもう一生けん命、こどもはカリメラのことを考えながらうちの方へ急いでいました。
 お日さまは、空のずうっと遠くのすきとおったつめたいとこで、まばゆい白い火を、どしどしお焚(た)きなさいます。
 その光はまっすぐに四方に発射し、下の方に落ちて来ては、ひっそりした台地の雪を、いちめんまばゆい雪花石膏(せっかせっこう)の板にしました。
 二疋(ひき)の雪狼(ゆきおいの)が、べろべろまっ赤な舌を吐(は)きながら、象の頭のかたちをした、雪丘の上の方をあるいていました。こいつらは人の眼(め)には見えないのですが、一ぺん風に狂(くる)い出すと、台地のはずれの雪の上から、すぐぼやぼやの雪雲をふんで、空をかけまわりもするのです。
「しゅ、あんまり行っていけないったら。」雪狼のうしろから白熊(しろくま)の毛皮の三角帽子(ぼうし)をあみだにかぶり、顔を苹果(りんご)のようにかがやかしながら、雪童子(ゆきわらす)がゆっくり歩いて来ました。
 雪狼どもは頭をふってくるりとまわり、またまっ赤な舌を吐いて走りました。
「カシオピイア、
 もう水仙が咲き出すぞ
 おまえのガラスの水車(みずぐるま)
 きっきとまわせ。」
 雪童子はまっ青なそらを見あげて見えない星に叫(さけ)びました。その空からは青びかりが波になってわくわくと降り、雪狼どもは、ずうっと遠くで焔(ほのお)のように赤い舌をべろべろ吐いています。
「しゅ、戻(もど)れったら、しゅ、」雪童子がはねあがるようにして叱(しか)りましたら、いままで雪にくっきり落ちていた雪童子の影法師(かげぼうし)は、ぎらっと白いひかりに変り、狼(おいの)どもは耳をたてて一さんに戻(もど)ってきました。
「アンドロメダ、
 あぜみの花がもう咲くぞ、
 おまえのラムプのアルコホル、
 しゅうしゅと噴(ふ)かせ。」
 雪童子(ゆきわらす)は、風のように象の形の丘(おか)にのぼりました。雪には風で介殻(かいがら)のようなかたがつき、その頂(いただき)には、一本の大きな栗(くり)の木が、美しい黄金(きん)いろのやどりぎのまりをつけて立っていました。
「とっといで。」雪童子が丘をのぼりながら云(い)いますと、一疋の雪狼(ゆきおいの)は、主人の小さな歯のちらっと光るのを見るや、ごむまりのようにいきなり木にはねあがって、その赤い実のついた小さな枝(えだ)を、がちがち噛(か)じりました。木の上でしきりに頸(くび)をまげている雪狼の影法師は、大きく長く丘の雪に落ち、枝はとうとう青い皮と、黄いろの心(しん)とをちぎられて、いまのぼってきたばかりの雪童子の足もとに落ちました。
「ありがとう。」雪童子はそれをひろいながら、白と藍(あい)いろの野はらにたっている、美しい町をはるかにながめました。川がきらきら光って、停車場からは白い煙(けむり)もあがっていました。雪童子は眼を丘のふもとに落しました。その山裾の細い雪みちを、さっきの赤毛布(あかけっと)を着た子供が、一しんに山のうちの方へ急いでいるのでした。
「あいつは昨日(きのう)、木炭(すみ)のそりを押して行った。砂糖を買って、じぶんだけ帰ってきたな。」雪童子はわらいながら、手にもっていたやどりぎの枝を、ぷいっとこどもになげつけました。枝はまるで弾丸(たま)のようにまっすぐに飛んで行って、たしかに子供の目の前に落ちました。
 子供はびっくりして枝をひろって、きょろきょろあちこちを見まわしています。雪童子はわらって革(かわ)むちを一つひゅうと鳴らしました。
 すると、雲もなく研(みが)きあげられたような群青(ぐんじょう)の空から、まっ白な雪が、さぎの毛のように、いちめんに落ちてきました。それは下の平原の雪や、ビール色の日光、茶いろのひのきでできあがった、しずかな奇麗(きれい)な日曜日を、一そう美しくしたのです。
 子どもは、やどりぎの枝をもって、一生けん命にあるきだしました。
 けれども、その立派な雪が落ち切ってしまったころから、お日さまはなんだか空の遠くの方へお移りになって、そこのお旅屋で、あのまばゆい白い火を、あたらしくお焚きなされているようでした。
 そして西北(にしきた)の方からは、少し風が吹いてきました。
 もうよほど、そらも冷たくなってきたのです。東の遠くの海の方では、空の仕掛(しか)けを外(はず)したような、ちいさなカタッという音が聞え、いつかまっしろな鏡に変ってしまったお日さまの面(めん)を、なにかちいさなものがどんどんよこ切って行くようです。
 雪童子は革むちをわきの下にはさみ、堅(かた)く腕(うで)を組み、唇(くちびる)を結んで、その風の吹いて来る方をじっと見ていました。狼どもも、まっすぐに首をのばして、しきりにそっちを望みました。
 風はだんだん強くなり、足もとの雪は、さらさらさらさらうしろへ流れ、間もなく向うの山脈の頂に、ぱっと白いけむりのようなものが立ったとおもうと、もう西の方は、すっかり灰いろに暗くなりました。
 雪童子の眼は、鋭(するど)く燃えるように光りました。そらはすっかり白くなり、風はまるで引き裂(さ)くよう、早くも乾(かわ)いたこまかな雪がやって来ました。そこらはまるで灰いろの雪でいっぱいです。雪だか雲だかもわからないのです。
 丘の稜(かど)は、もうあっちもこっちも、みんな一度に、軋(きし)るように切るように鳴り出しました。地平線も町も、みんな暗い烟(けむり)の向うになってしまい、雪童子の白い影ばかり、ぼんやりまっすぐに立っています。
 その裂くような吼(ほ)えるような風の音の中から、
「ひゅう、なにをぐずぐずしているの。さあ降らすんだよ。降らすんだよ。ひゅうひゅうひゅう、ひゅひゅう、降らすんだよ、飛ばすんだよ、なにをぐずぐずしているの。こんなに急がしいのにさ。ひゅう、ひゅう、向うからさえわざと三人連れてきたじゃないか。さあ、降らすんだよ。ひゅう。」あやしい声がきこえてきました。
 雪童子はまるで電気にかかったように飛びたちました。雪婆んごがやってきたのです。
 ぱちっ、雪童子の革むちが鳴りました。狼(おいの)どもは一ぺんにはねあがりました。雪わらすは顔いろも青ざめ、唇(くちびる)も結ばれ、帽子も飛んでしまいました。
「ひゅう、ひゅう、さあしっかりやるんだよ。なまけちゃいけないよ。ひゅう、ひゅう。さあしっかりやってお呉(く)れ。今日はここらは水仙月(すいせんづき)の四日だよ。さあしっかりさ。ひゅう。」
 雪婆んごの、ぼやぼやつめたい白髪(しらが)は、雪と風とのなかで渦(うず)になりました。どんどんかける黒雲の間から、その尖(とが)った耳と、ぎらぎら光る黄金(きん)の眼も見えます。
 西の方の野原から連れて来られた三人の雪童子も、みんな顔いろに血の気もなく、きちっと唇を噛(か)んで、お互(たがい)挨拶(あいさつ)さえも交(か)わさずに、もうつづけざませわしく革むちを鳴らし行ったり来たりしました。もうどこが丘だか雪けむりだか空だかさえもわからなかったのです。聞えるものは雪婆(ゆきば)んごのあちこち行ったり来たりして叫ぶ声、お互の革鞭(かわむち)の音、それからいまは雪の中をかけあるく九疋(くひき)の雪狼どもの息の音ばかり、そのなかから雪童子(ゆきわらす)はふと、風にけされて泣いているさっきの子供の声をききました。
 雪童子の瞳(ひとみ)はちょっとおかしく燃えました。しばらくたちどまって考えていましたがいきなり烈(はげ)しく鞭をふってそっちへ走ったのです。
 けれどもそれは方角がちがっていたらしく雪童子はずうっと南の方の黒い松山にぶっつかりました。雪童子は革むちをわきにはさんで耳をすましました。
「ひゅう、ひゅう、なまけちゃ承知しないよ。降らすんだよ、降らすんだよ。さあ、ひゅう。今日は水仙月の四日だよ。ひゅう、ひゅう、ひゅう、ひゅうひゅう。」
 そんなはげしい風や雪の声の間からすきとおるような泣声がちらっとまた聞えてきました。雪童子はまっすぐにそっちへかけて行きました。雪婆んごのふりみだした髪が、その顔に気みわるくさわりました。峠(とうげ)の雪の中に、赤い毛布(けっと)をかぶったさっきの子が、風にかこまれて、もう足を雪から抜(ぬ)けなくなってよろよろ倒(たお)れ、雪に手をついて、起きあがろうとして泣いていたのです。
「毛布をかぶって、うつ向けになっておいで。毛布をかぶって、うつむけになっておいで。ひゅう。」雪童子は走りながら叫びました。けれどもそれは子どもにはただ風の声ときこえ、そのかたちは眼に見えなかったのです。
「うつむけに倒れておいで。ひゅう。動いちゃいけない。じきやむからけっとをかぶって倒れておいで。」雪わらすはかけ戻(もど)りながら又(また)叫びました。子どもはやっぱり起きあがろうとしてもがいていました。
「倒れておいで、ひゅう、だまってうつむけに倒れておいで、今日はそんなに寒くないんだから凍(こご)えやしない。」
 雪童子は、も一ど走り抜けながら叫びました。子どもは口をびくびくまげて泣きながらまた起きあがろうとしました。
「倒れているんだよ。だめだねえ。」雪童子は向うからわざとひどくつきあたって子どもを倒しました。
「ひゅう、もっとしっかりやっておくれ、なまけちゃいけない。さあ、ひゅう」
 雪婆んごがやってきました。その裂けたように紫(むらさき)な口も尖った歯もぼんやり見えました。
「おや、おかしな子がいるね、そうそう、こっちへとっておしまい。水仙月の四日だもの、一人や二人とったっていいんだよ。」
「ええ、そうです。さあ、死んでしまえ。」雪童子はわざとひどくぶっつかりながらまたそっと云いました。
「倒れているんだよ。動いちゃいけない。動いちゃいけないったら。」
 狼(おいの)どもが気ちがいのようにかけめぐり、黒い足は雪雲の間からちらちらしました。
「そうそう、それでいいよ。さあ、降らしておくれ。なまけちゃ承知しないよ。ひゅうひゅうひゅう、ひゅひゅう。」雪婆んごは、また向うへ飛んで行きました。
 子供はまた起きあがろうとしました。雪童子(ゆきわらす)は笑いながら、も一度ひどくつきあたりました。もうそのころは、ぼんやり暗くなって、まだ三時にもならないに、日が暮(く)れるように思われたのです。こどもは力もつきて、もう起きあがろうとしませんでした。雪童子は笑いながら、手をのばして、その赤い毛布(けっと)を上からすっかりかけてやりました。
「そうして睡(ねむ)っておいで。布団(ふとん)をたくさんかけてあげるから。そうすれば凍えないんだよ。あしたの朝までカリメラの夢を見ておいで。」
 雪わらすは同じとこを何べんもかけて、雪をたくさんこどもの上にかぶせました。まもなく赤い毛布も見えなくなり、あたりとの高さも同じになってしまいました。
「あのこどもは、ぼくのやったやどりぎをもっていた。」雪童子はつぶやいて、ちょっと泣くようにしました。
「さあ、しっかり、今日は夜の二時までやすみなしだよ。ここらは水仙月(すいせんづき)の四日なんだから、やすんじゃいけない。さあ、降らしておくれ。ひゅう、ひゅうひゅう、ひゅひゅう。」
 雪婆んごはまた遠くの風の中で叫(さけ)びました。
 そして、風と雪と、ぼさぼさの灰のような雲のなかで、ほんとうに日は暮れ雪は夜じゅう降って降って降ったのです。やっと夜明けに近いころ、雪婆んごはも一度、南から北へまっすぐに馳(は)せながら云(い)いました。
「さあ、もうそろそろやすんでいいよ。あたしはこれからまた海の方へ行くからね、だれもついて来ないでいいよ。ゆっくりやすんでこの次の仕度(したく)をして置いておくれ。ああまあいいあんばいだった。水仙月の四日がうまく済んで。」
 その眼は闇(やみ)のなかでおかしく青く光り、ばさばさの髪(かみ)を渦巻かせ口をびくびくしながら、東の方へかけて行きました。
 野はらも丘(おか)もほっとしたようになって、雪は青じろくひかりました。空もいつかすっかり霽(は)れて、桔梗(ききょう)いろの天球には、いちめんの星座がまたたきました。
 雪童子らは、めいめい自分の狼(おいの)をつれて、はじめてお互挨拶しました。
「ずいぶんひどかったね。」
「ああ、」
「こんどはいつ会うだろう。」
「いつだろうねえ、しかし今年中に、もう二へんぐらいのもんだろう。」
「早くいっしょに北へ帰りたいね。」
「ああ。」
「さっきこどもがひとり死んだな。」
「大丈夫(だいじょうぶ)だよ。眠ってるんだ。あしたあすこへぼくしるしをつけておくから。」
「ああ、もう帰ろう。夜明けまでに向うへ行かなくちゃ。」
「まあいいだろう。ぼくね、どうしてもわからない。あいつはカシオペーアの三つ星だろう。みんな青い火なんだろう。それなのに、どうして火がよく燃えれば、雪をよこすんだろう。」
「それはね、電気菓子(がし)とおなじだよ。そら、ぐるぐるぐるまわっているだろう。ザラメがみんな、ふわふわのお菓子になるねえ、だから火がよく燃えればいいんだよ。」
「ああ。」
「じゃ、さよなら。」
「さよなら。」
 三人の雪童子は、九疋(くひき)の雪狼(ゆきおいの)をつれて、西の方へ帰って行きました。
 まもなく東のそらが黄ばらのように光り、琥珀(こはく)いろにかがやき、黄金(きん)に燃えだしました。丘も野原もあたらしい雪でいっぱいです。
 雪狼どもはつかれてぐったり座(すわ)っています。雪童子も雪に座ってわらいました。その頬(ほお)は林檎(りんご)のよう、その息は百合(ゆり)のようにかおりました。
 ギラギラのお日さまがお登りになりました。今朝(けさ)は青味がかって一そう立派です。日光は桃(もも)いろにいっぱいに流れました。雪狼は起きあがって大きく口をあき、その口からは青い焔(ほのお)がゆらゆらと燃えました。
「さあ、おまえたちはぼくについておいで。夜があけたから、あの子どもを起さなけあいけない。」
 雪童子は走って、あの昨日(きのう)の子供の埋(うず)まっているとこへ行きました。
「さあ、ここらの雪をちらしておくれ。」
 雪狼どもは、たちまち後足で、そこらの雪をけたてました。風がそれをけむりのように飛ばしました。
 かんじきをはき毛皮を着た人が、村の方から急いでやってきました。
「もういいよ。」雪童子は子供の赤い毛布(けっと)のはじが、ちらっと雪から出たのをみて叫びました。
「お父さんが来たよ。もう眼をおさまし。」雪わらすはうしろの丘にかけあがって一本の雪けむりをたてながら叫びました。子どもはちらっとうごいたようでした。そして毛皮の人は一生けん命走ってきました。



雪婆出远门去了。
 有着猫一般的耳朵、披着一头灰色蓬乱长发的雪婆,越过西方山脉刺目的卷云,到很远很远的地方去了。 大象头形状的雪丘山脚下,有个小孩,裹着一条红色毛毯,脑子里尽想着绵花糖的事,正在急着赶路回家。 (看吧,只要把报纸卷成尖筒的形状,呼呼吹气,木炭就会生起绿光的鬼火。抓一把红糖放进绵花糖锅里,再抓一把粗糖放进去,加上水,再慢慢咕嘟咕嘟煮就行了。) 小孩满脑子都是绵花糖的事,一边不停加快脚步,想早点回家。太阳公公在很远很远的清澈冰冷的天空上,源源不断地焚烧着晃亮的白色火光。 火光直直往四方发射,再照射到下面来,将鸦雀无声的台地上的雪,照射成一片光彩夺目的雪花石膏板。大象头形状的雪丘上,有两只雪狼,边走边时时伸出血红的舌头喘着气。 人们见不着牠们的身姿,但当吹起狂风时,牠们会从台地一角的雪地上,骑着灰黑的雪云,在天空四处奔驰。 “咻!不要走那么快!”雪狼背后,跟着一个将一顶三角白熊皮帽靠后戴着、双颊像苹果般晶亮的雪童子,慢吞吞地走着。
 雪狼们甩甩头,转了个圈,又伸着血红的舌头往前奔跑起来。 “仙后座星星水仙快要开了赶快去咯吱咯吱转动妳的玻璃水车” 雪童子仰望着青空,朝看不见的星星大喊。青空雀跃地降落下波浪状的青光。雪狼们早已奔跑到远远的前方,伸着火焰般的红舌头不停喘着气。 “咻!快回来!咻!”雪童子跳着大声叱骂,本来稳稳贴在地上的雪童子的影子,马上变成闪闪跳跃的白光。雪狼们翘起耳朵,一溜烟地奔回来。“仙女座星星蓟花快要开了赶快去呼咻呼咻喷出妳灯内的酒精”雪童子风一般登爬大象头形状雪丘。地上的雪被风吹成贝壳模样,丘顶上有一株大栗子树,树干上的槲寄生,结满了美丽的金黄色果球。 “摘下来吧!”雪童子边上山边说。一只雪狼看见主人小小的牙齿闪了一闪,马上像皮球一样往树干跳跃,咯嗒咯嗒咬上结着红果实的小树枝。在树上频频甩着头的雪狼的影子,又大又长地落在雪地上,树枝终于被咬断绿色树皮和黄色树心,掉落在刚刚爬上丘顶的雪童子脚下。
 “谢谢。”雪童子拾起树枝,眺望着远方座落在白色与蓝色原野之间的美丽小镇。河川闪耀着亮光,停车场扬起一阵白烟。雪童子的视线飘落到雪丘山脚下。山脚下那狭窄的雪路上,刚刚那个裹着红色毛毯的小孩,正在埋头一心一意地赶路回山中的家。“那小子昨天拉着装满木炭的雪橇到镇上。肯定在镇上买了糖,今天独自一人回来了。”雪童子笑到,将手中的槲寄生树枝往小孩身上丢去。树枝像子弹一直线飞去,恰恰好掉落在小孩眼前。小孩吓了一跳,拾起树枝,愣愣地四下张望。雪童子笑着,咻一声挥了一下手中的皮鞭。
    只见万里无云晶莹碧森的青空上,突然整面落下鹭鸶羽毛般的雪花。令这个由平原雪地、啤酒颜色的日光、茶色的丝柏所拼凑成的静谧亮丽的星期天,显得更加漂亮。
     小孩拿着树枝,又开始拼命赶路。
      不过,当雪花停止飘落时,太阳公公好像转移阵地到更远的休息处去,重新焚烧起他那刺目的白火光。接着,西北方稍稍刮起风来。天空大概也相当冰冷。远处东方靠海的那一端,好像开动了天空的开关似地,传来微弱的喀嚓一声,许多小小的东西,不断地横穿过不知何时已变成一面白镜子的太阳公公眼前。 雪童子将皮鞭夹在腋下,用力抱着胳膊,紧闭着双唇,不眨一眼地凝视着风吹过来的方向。雪狼们也伸直脖子,眺望着同一个方向。风逐渐加强,脚下的雪,沙沙往后流动,不一会儿,对面山顶上耸起一阵类似白烟的东西,眨眼间,西方已转为灰色开始昏暗下来。
雪童子的双眸闪烁着一把锐利的火光。天空已完全变成白茫茫一片,风也像要撕裂万物一般,干燥且细微的雪飘落下来了。放眼四周都是蒙蒙的雪花,到底是雪或是云都分不清了。
    雪丘各处的棱线,同时响起吱吱嘎嘎的声音。地平线与小镇,都隐没在昏暗烟雾的彼方了。只有雪童子的白色身影,模糊不清地伫立在雪地中。 嘶啸不止的狂风中传来奇异的吼声: “咻!你们在偷什么懒?赶快下雪啊!快下啊!咻咻咻!咻咻咻!快下啊 !快飞舞啊!你们在偷什么懒?都忙死了,还偷懒!咻!咻!我还特地从那边带来三个帮手快!下雪啊!咻!” 雪童子彷佛被雷电击到一般跳了起来。是雪婆回来了。 啪!雪童子的皮鞭响起。雪狼们立即跳起身。雪童子脸色发青,紧抿着双唇,帽子已不知被吹到什么地方了。 “咻!咻!赶快认真去工作!不准你们偷懒!咻!咻!快上工!今天是这 一带的水仙月的第四天!快做工啊!咻!”
     雪婆那一头冰冷蓬乱的白发,在风雪中卷曲成漩涡状。从不断自眼前呼哮而去的乌云之间,也能看到雪婆的尖耳朵与闪闪发光的金黄色双眸。 雪婆自西方原野带来的三个雪童子,个个面无血色,紧咬着下唇,也不彼此打个招呼,只顾着挥舞着手中的皮鞭,忙着四处奔跑。眼下已分不清哪处是雪丘、哪处是天空、哪处是烟雪了。耳边只能听到雪婆到处奔腾嘶叫的声音, 以及雪童子们的皮鞭声、九只在雪地上狂奔的雪狼们的哈哈喘气声。在这一片乱烘烘的声音中,雪童子隐约听到被狂风淹没的刚刚那小孩的哭声。 雪童子的双眸闪起一把火。他伫立着思考了一会儿,再冷不防猛烈地挥舞着皮鞭往小孩的方向奔去。不过雪童子搞错了方向,撞上南方那座黑松山。雪童子再将皮鞭夹在腋下 ,倾耳静听。 “咻!咻!不准偷懒!快下雪!下雪!快!咻!今天是水仙月的第四天! 咻!咻!咻!咻咻!” 狂风暴雪中,雪童子又隐约听到小孩清澈的哭声。雪童子一直线往小孩方向奔去。途中,雪婆那一头蓬乱的长发,令人心惊地拂过雪童子的脸颊。山岭上的雪堆中,裹着红毛毯的小孩,被四周的狂风吹倒,双足陷在雪堆内,双手撑着雪面,边哭边使劲想爬起来。
    “把毛毯披在头上,脸朝下躺着不要动。把毛毯披在头上,脸朝下躺着不要动。咻!”雪童子边跑边呼唤。但是在小孩听来,雪童子的呼唤只是风声而已,小孩看不见雪童子的身姿。“脸朝下躺着不要动。咻!不要动。过一会儿暴风雪就会停。把毛毯披在头上躺下来。”雪童子又奔回来大声叫喊。那小孩依然挣扎着想爬起来。“躺下来。咻!闭上嘴巴脸朝下躺着。今天不怎么冷,不会冻僵的。”雪童子再度自小孩身边奔过,大声呼唤着。但是小孩仍是撇着嘴巴边哭边 挣扎着想爬起来。 “躺下来啊!怎么不听话!”雪童子故意从正面用力扑向小孩,将小孩击倒。
      “咻!再使劲吹啊!别偷懒!快!咻!” 雪婆来到雪童子身边。暴风雪中,隐约可见雪婆那裂到耳朵下的大嘴巴和 尖利的牙齿。“咦?怎么有个小孩?对对,把他抓过来。水仙月的第四天嘛,抓一、两个人无所谓。” “是的。好,快死吧!”雪童子又故意用力击倒小孩,再小声对小孩说: “躺下来呀。不要动。叫你不要动就不要动嘛。” 雪狼们也疯狂地在四周奔驰,雪层云间依晰可见牠们黑色的四肢。 “对对,做得好。大家们!使劲下啊!不准偷懒啊!咻咻咻!咻咻!”雪婆边吆喝着边飞到别处去了。 小孩又想爬起来。雪童子笑着,再度用力将他击倒。此时,四周已昏昏暗暗,其实还未到下午三点,天地就宛如已日暮般。小孩已筋疲力尽,不再挣扎着想爬起来。雪童子咯咯作笑,伸出双手,将红毯子整个披在小孩背上。 “睡吧。我帮你盖很多棉被。这样就不会冻僵了。到明天早上,好好做个绵花糖的美梦吧。”
      雪童子在小孩身上铺上重重迭迭的雪。不久,雪地上已见不着红毯子,小孩身上的雪积得与四周一般高。 “那小孩手上,还拿着我给他的槲寄生树枝呢。”雪童子喃喃自语着,露出欲哭的表情。 “快!今天到半夜两点都不能停工!这一带是水仙月的第四天,不能偷懒啊!快!再下啊!咻!咻咻!咻咻!”
       雪婆在远处狂风中大声督促着。
        就这样,狂风与暴雪,在层层交杂的乌云中,一直下,一直下,下到日暮,下到夜晚。好不容易等到天将亮时,雪婆再度自南方一直线飞向北方,大声呼叫: “好了,可以休息了。我现在要到海那边去,你们不用跟来。好好休息,
以储备下次的精力。这回的成果还不错。水仙月的第四天总算完满成功了。” 雪婆的双眼在黯夜中闪着青色的妖氛,又卷曲着一头蓬乱的长发,抖颤着双唇,飞往东方去了。 原野与山丘都好像松了一口气,雪地上闪烁着苍白的亮光。天空不但转晴了,桔梗色的上空,满天都是不断眨着眼的星星。
    雪童子们带领着自己的雪狼,首次互相打起招呼。
   “这回下得真狠。”
   “嗯。”
   “下次什么时候能再见面呢?”
    “不知是什么时候呢。不过今年内,大概还得再下两次吧。”
    “真想早一天回北方去呢。”
      “就是说嘛。”
     “刚刚是不是有个小孩死了?”
     “没事。只是在睡觉。明天我会在那个地方做个标记。”
     “走吧!天亮之前得赶回去呢。”
      “好啊。可是我有一件事总是想不通,那不是仙后座那三颗星吗?都是青
      火吧?可是为什么火燃得越厉害时,反而会呼风唤雪呢?”
     “道理跟电气绵花糖一样啊。你想想看,电气绵花糖不是一直在转吗?粗糖才会变成松松软软的绵花糖是吧?所以火要烧得旺一点嘛。”
     “喔。”
     “那,再见啰。”
      “再见。”
      三个雪童子,带领着九只雪狼,往西方回家去了。
      不一会儿,东边天空泛起黄玫瑰般的亮光,再闪耀着琥珀色的火光,最后烧起金黄色的火把。山丘跟原野都铺了一层亮晶晶的新雪。雪狼们累得趴坐在雪地上。雪童子也坐下来。他的脸颊像两个苹果,呼出的气息充满百合花的馨香。 刺眼的太阳公公爬上来了。今天的太阳公公隐含着青色亮光,更加显得威武辉煌。桃色的日光流荡在满面的雪地上。雪狼们站起来张大嘴巴,喷出摇摇曳曳的青色火焰。 “你们跟我来吧。天已亮了,我们得去叫醒那小孩。” 雪童子奔到昨天小孩被雪埋没的地方。 “快帮我踢散这些雪。” 雪狼们立即用后肢踢着雪堆。风,再将被踢开的雪,烟雾一般吹到远方。
      远处,有几个脚上绑着雪套鞋(译注:用树枝和草绳制成的圆状木屐,可防滑倒),身上披着皮衣的人影,自村落方向匆匆赶路前来。“可以醒啦!”雪童子看到红毯子已露出一端在雪面上,开口大喊:“你爸爸来了!快醒过来吧!”雪童子身后牵着一条雪烟,边奔驰到山丘上边大声呼唤。小孩好像蠕动了一下身子。穿着皮衣的人们也拼命跑过来了。
 
后记:
有不少宫泽研究者都猜测不出水仙月到底是几月。有人说是一月十五日,有人
说是四月。日本月历上的立春是二月四日,水仙月可能是一月底。春天将来临
之前,关东地区有时也会在三月突然刮大雪,北国更是不可言喻了。