奈奈:あたしの生まれ故郷は、山に囲まれた、広くも狭くもない町で、ど田舎ではないけど、都会でもない。観光に来られてもウリがない。私は三人兄弟の真ん中で、金持ちでも、貧乏でもない 親にほったらかされて、すくすくと育ち、県内普通レベルの女子高校をもうすぐ卒業する。
奈奈:東京?
浅野:え、来週から。
奈奈:それは、出張ではなくて。
浅野:転勤!本社から急にお呼びがかかってね。まいったよ。
奈奈:そんなのいや、でも待てよ、東京なら、新幹線で二時間だし、どうせ今までだって、たまにしか、会えなかったんだし。
浅野:さびしくなるな、奈奈ちゃんに会えなくなるのは!今まで、楽しがったよ!有難う!
奈奈:それは1999年の七の月、より四ヶ月の早く、恐怖の大王があたし目掛けて落ちて来た、分かってはいたのだ、この恋の所詮未来なかない。でも、こんないきなり、そんなあっさり。ばかばかしくって、涙も出ないよ。
奈奈:わあ~~
淳子:泣いてるじゃん。
奈奈:淳ちゃん、淳ちゃん。
淳子:だからやめとけって言ったのに、女子高生の分際で不倫の恋なんて。
奈奈:不倫とか言わないで、縁かくさいから。
淳子:ジャン、援交?
奈奈:あたしは、浅野さんからお金なんか一銭ももらってないもん!
淳子:馬鹿だね!たんまりもらっとぎゃよかったのに。やり逃げされて。
奈奈:淳子、やり逃げって~。
淳子:うそだよ、奈奈、あんたがあの男に本気だたのは、ちゃんと分かってる。
奈奈:淳チャン!
淳子:でも、向こうはコギャルしか思ってなかったんだね。
奈奈:コギャル、あたしのどこか?
淳子:おやじからすりや、女子高生は全員コギャルでしょ。
奈奈:浅野さんはおやじじゃないよ!
淳子:女子高生からすれば、スーツ着た全員おやじだよ!
奈奈:なんで、あたしって、こんなにをやってもうまくいかないだろう。だいたい、'なな’なんて、名前が不吉なんだよ。Nostradamusの予言に出てくれし、呪われた運命って言うか?
淳子:いや、あんたはたとえ’八’とかでも、奴は東京へ行くと思うけど。
奈奈:決めた、行こう!
淳子:ええ?東京?
奈奈:駅前の新しい美容院。次の恋に向けて、コギャルに見られない髪型にするの!
淳子:でも、もう、今日で卒業だし、どうせコギャルじゃなくなるよ。
奈奈:卒業式始まってるよ。淳チャン!やばい!
奈奈:思い起こせば、私の高校生活は、恋に始まり、恋に終わったといっても、過言ではないでしょう!出会いない、落胆して入って女子高校で、美術の岡本先生に一目惚れし、同じクラスで、仲良しになった淳ちゃんと、美術部に入りました。おかげて、絵を描くのは大好きになったけど、一年後、彼は別に高校へ去っていきました。次の出会いは、家の近所のレンタルビデオ屋のお洒落な中村さん、ある日、思い来って話しかけたら、冷たくあしらわれてしまいました。それから、バイト先のファミリーレストランの渋い川崎さん、宅配ピザの届けてくれたさわやか吉田さん、でも、出会いはある物の、なぜだかいつも空回りで、きっと、自分に魅力がないせいたと思い、ダイエットはじめ、次はもっと、じっくり、知り合ってから恋をしようと、反省したのもつかの間。それは、高三の夏の始まり。とうとう彼に出会ってしまったのです。
浅野:君、どうしたんだ?大丈夫?
奈奈:え、すみません、大丈夫!
浅野:顔が真っ青じゃないか?
奈奈:浅野崇、仮構二十九歳、仮構とし。今思うと偽名かも知れないし、年も、サバ読んでるかも知れないけど、一目惚れでした。
浅野:ダイエット?
奈奈:はい!それで、時々目眩が!
浅野:そんな事しなくても、充分かわいいのに、
奈奈:かわいい??
浅野:よく一人で映画館に来るの?
奈奈:はい、あの、映画は好きです、でも一人で見るのが好きっていうか!
浅野:あ、分かるよ、同感だな!
奈奈:でも、貴方となら一緒に見てもいい!
浅野:じゃ、僕はそろそろ、顔色もよくなつたみたいたし。
奈奈:あの、あたし何か、お礼を?
浅野:いや、気にしないで、もう遅いし、気をつけて帰るんだよ!
奈奈:かっこよくて、優しくて、紳士的、まさに完璧。あの、あたしこの通り沿いのファミレスでバイトしてるんですけと、よかったら、今度来てください。お礼に何か奢りますから。
奈奈:それから二週間、彼は現れず!私の思いは募る一方で。だからあの日、バイトが終わって店を出て、彼が私を、待ち伏せしていることに気づいた時には、もうとうにも止まらないくらい。恋に落ちていた。彼の薬指の指輪には、すぐに気づいたけど、気にしないことに決めた。あたしは彼を本気で愛していたし、愛されていると信じてった。だけど、私は、彼のことを携帯番号くらいしか、知らなくて、どこに住んでるかも、どこの会社に勤めてるかも知らなくて、会えるのは月に二、三回程度だし、会えでも、ドライブ、ラプホテル方の、ひたすら、密室コースだし、それでも、愛されているなんて、勘違いも、はなはだしいって感じです。もしあのまま、あれと付き合い続けていたら、あたしの青春はどんどんうらぶれていたに違いない。別れられて、幸いだったと、前向きに、開き直ろうと思います。春から通う地元の美術学校は共学なので、素敵な出会いを期待しつつ、一所懸命頑張ります。卒業生代表、小松奈奈。
淳子:つまりあんたは、ここに男あっさりに来たわけね?
奈奈:違うよ、淳チャン、あたしはまじめに絵の勉強がしたくて。
淳子:それはよかった。どう見てもその髪形じゃ、男にモテそうにないもんね!
奈奈:嘘!それより、あたし、重大なことに気づいたんだけど、あたしは今まで、好きの人って、年上ばっかじゃん?
淳子:それは重大なことなの?
奈奈:相手が年上だから、うまくいたなかったのかも!この学校なら、同い年の子がたくさんいるし、きっと話題とかも合って、素敵な恋を生まれそうな予感!
淳子:やっぱり、男あさりに来たんジャン!とにかくも、一目惚れはやめない!
奈奈:目が合ったしまった、瞳のきれいな男の子と、何、何で、こっちに来る?
章司:淳子?淳子だろ?
淳子:章司?
章司:そうだよ。章司だよ!
淳子:髪伸びてる、わかんなかったよ!
章司:懐かしい、お前、中学卒業以来だから、三年ぶり?
淳子:三年ことより、なんであんたがここにいるの?最悪!また騒がしのが、一人増えたよ、もういやだ。
章司:ああ、友達?騒がしの?
淳子:女子高からの、腐れ縁でさ、騒がしいなんの!
章司:お名前は?
奈奈:小松奈奈で、始めました!
章司:遠藤章司です。宜しく!
奈奈:笑顔も素敵!
章司:俺もさ、高校ん時からのダチと一緒になんだ。
京助:始めまして。坂倉京助です。
奈奈:こっちも素敵!
奈奈:happyキャンバスライフ、この幕開けだね、淳チャン!
淳子:キャンバスライフがどうしたって?あたしら、大学生じゃないし、専門学校生だし。
奈奈:ごめんなさい、でも大丈夫、章司君は淳チャンの持ち札もんね、横取りしたりしないし、安心して。
淳子:もち札?あんたなんか勘違いしてない?あたしはあんたの以前にもました節操なさを咎めてるだけで、章司のことはだだの友達としか、思ってないけど。
奈奈:嘘つき。あんなかっこいい男の子と、同じクラスだったなら、好きになるはずだよ、絶対!
淳子:あたしはあんたとは違うの!中学時男友達なんでいっぱいいたし、いちいち惚れたりしないよ!
奈奈:男友達がいっぱい?そっか、そういえばあたし今まで、男友達なんて一人もいなかった?なんで?
淳子:あんたは男を同じ人間というより、雄としてみてるからね!
奈奈:なるほど、そうか、同じ人間として?よし、決めた、あたし、章司君と友達になる。
淳子:あ?友達って決意してなるもんなの?
奈奈:でも、決意しとかないと、うっかり惚れちゃうかもしれないし。
淳子:いや、ホレたか、ホレたで、しょうがないと思うけど。まあ、あんたの場合、先ずは友達から入るのは、いい経験かもね?
奈奈:有難う、淳チャン、あたし頑張る!
淳子:なにを?
(電話)
淳子:はい、お?章司?
奈奈:いや!どきどきしなくていいんだった、友達なんたし。
淳子、いいよ、じゃあ、家おいでよ、奈奈もいるよ!
章司:チース
京助:お邪魔します!
章司:おお、いい部屋じゃ。地元民なのに、ひとり暮らしとは、全宅者め?
淳子:だって、うちから学校遠いだの!
章司:俺だって、遠いのに!
京助:章司の婆ちゃんと離れて暮らすのは、さびしいだよな!
章司:実はそうなの!
淳子:高倉君、家どこ??
京助:学校の近所。
淳子:近所って、どんな辺?
京助:コンビニの裏の辺!
淳子:えへ、まじで近いね。徒歩五分くらい!
奈奈:友達友達!
章司:何って、大人しいね、奈奈ちゃん?騒がしいって言ってたのに、もし、人見知りするたち?
奈奈:そんなことないせ!しまった、友達に敬語使うのは、変かも?
京助:まあ、もしかして、女子高だったから、男が苦手とか!
淳子:全然そんなことないよね!奈奈には、つい最近まで、彼氏もいたし?
奈奈:淳チャン!
淳子:いいちゃん。今日はとことん 腹割って話して、親睦を深めましよう。
章司:じゃ、とりあえず、乾杯だね
奈奈:そっか、男友達だから、腹割らなきゃいけないだ。
皆:乾杯!
奈奈:早いとこ、酔っ払ってしまおう、そしたら、緊張も解れる!
奈奈:それで、その次の一目惚れは宅配ピザのさわやかな吉田さん。
章司:あはは、さわやかな吉田さん。
奈奈:だってさわやかなんだもん、笑顔が超さわやか!
淳子:もう、そこの二人の飲み過ぎ!
奈奈:でもね、ピザばかとって、三キロも太っちゃったのに、彼ったらバイトをやめてしまったのか、二度と来なくなたの。太り損!
章司:面白い、奈奈ちゃん、最高!
淳子:奈奈、それ以上飲むな!
京助:まあ、いいじゃん、面白い
章司:っで、次は?次は誰?
奈奈:次の人はね?
章司:まじにまだいるんかよ!
奈奈:次の人は、名前も知らない人だった。もう、会えないのかと思った?名前も聞いてなかったし、
浅野:浅野崇!
奈奈:やめって、そんな名前、どうして、出鱈目のくせに?
淳子:奈奈?
京助:泣き上戸?
章司:う、うえ、どうして、いきなり?
奈奈:いや?
淳子:奈奈、ごめん、章司、気にするな!
奈奈:淳チャン。
淳子:もう、奈奈!あんた飲みすぎだって。
奈奈:触らないで、私のことを愛してもいないくせに。触らないで!
章司:淳子、俺、そろそろ帰るよ!終電なくなるし!
淳子:そっか、あんた遠いもんね!
章司:それから、京助は寝ちまったんだけど、転がしといていい?
淳子:あはは~、いいよ、別に!
章司:すまんね、じゃ!
淳子:あのさ、章司、
章司:うん?
淳子:あんた彼女いないよね?
章司:俺に惚れたか、淳子?
淳子:いや!
章司:なんだよ、この顔は、俺だって、高校ん時は彼女の5人や10人いたんだぞ、今はたまたまいないだけぜ。
淳子:やっぱり、あんた今日、奈奈狙いで、うちに来たでしょう。
章司:でも、奈奈ちゃん、俺のこと、嫌い、嫌って。
淳子:そうでもないじゃない、あんたのこと、一目見て、素敵とか、かっこいいとか、いろいろ言ってだし!
章司:嘘!
淳子:まあ、せいぜい、頑張れよ!
章司:なにそれ!
奈奈:ここは何処?頭(あったま)いた~!なにこれ?お?そうか。ここ淳ちゃんの部屋だ!(乾杯~)章司君と京助君はきて、乾杯してそれから、なんかよく思い出せないけど、楽しかった気がする。痛い、しかし、無断外泊だよ。やっぱ。淳チャン!頭痛薬!
淳子:いや、ほら、何っていうかさ!一晩じっくり話してみたら、意気投合したって言うか!魔王指したって言うか?
奈奈:何いいわけしてんだろう!
京助:や、俺は淳子のこと、一目見たときたら、いいなと思ってたけど。
奈奈:よく言った、京助、あんたはえらい!恋に落ちるの理屈ではない。
京助:あはは、奈奈ちゃんは一目ぼれの鉄人だもんだ。
奈奈:ええ?鉄人って、なんで知って?あ~?淳チャンのおしゃべり?
淳子:自分でしゃべったんじゃん、覚えてないの?
奈奈:嘘。
京助:もう、この時間か、俺、うち戻って、着替えてから、学校いくよ。
淳子:奈奈は戻ってたら、遅刻だね!なんか服貸そうか?
奈奈:しゃべったて、何をどこまで!
淳子:だから、美術の岡田から始まって、ビデェオ屋の中村、厨房の川崎、ビザ屋の吉田。面白可笑しくしゃべってたよ!
奈奈:そんな馬鹿な!
淳子:でも、奈奈、浅野さんのことまだ忘れらんだね!
奈奈:そんなことないよ、もう忘れたよ、面白おかしく人にしゃべっちゃうくらい。
淳子:いや、泣いてだよ!あいつの話は、あんた泣いちゃって何もしゃべなかった。ね、奈奈、章司のことを気に入ったんならさ!あたし取り持ってあがるよ?
奈奈:淳チャン、自分だけ京助とできちゃったことが、そんなに後ろめたい?
淳子:そうじゃなくて、章司はすごくいいやつだから、恋人に対しても、きっと、誠実の男たと思った。あいつなら奈奈のことを大事にしてくれるよ!あたしは保証する。
奈奈:淳ちゃん、淳チャンが男だったら、絶対淳チャンの彼女になるのにな!
淳子:いやだ、あたしは、あんたなんか、マジでいや!
奈奈:でも、いいの、章司君とせっかく友達になれたんだもん。
淳子:あ?
奈奈:章司君は大事な男友達だよ、彼氏なんかしたら、もったいないじゃん。
淳子:彼氏なんか!
章司:淳子、奈奈ちゃん!お早う、よかった、元気そうだよ!奈奈ちゃん。
奈奈:超元気だよ、二日酔いで頭痛かったけど、薬飲んだら、治ったし!章司はいつのまに帰ったの?
淳子:章司って、もう呼び捨て。
章司:終電で、俺御婆ちゃんの子守歌がないと寝付けなくて。
奈奈:へへ、真に?
淳子:まあ、いっか。
奈奈:映画?
章司:奈奈ちゃん好きって言ってたろ、今度の日曜とか、暇だった、一緒に見に行かね。
奈奈:だめ。
章司:ええ~?
奈奈:あたし、映画は一人で見る主義なの、隣に友達がいたり、気が散るっていうか!
(浅野:あ、分かるよ、同感だな)
奈奈:痛い~~
奈奈:嘘、何あたしが許さないの?大魔王。
章司:大魔王?
奈奈:恐怖の大王だよ、たたられてるんだよ、あたし。
章司:なんじゃそら、自分が鈍くさいだけじゃ!ほら、手出して!
奈奈:いたい、やめて、染みる
章司:しようがないだろ、ほっといたら、化膿したら、どんどんいたくなるそ!
奈奈:ほっといたら!
(淳子:まだ忘れなれないのね!)
奈奈:忘れられないどころか、どんどん化膿してくよ、淳チャン!時間が経てば経つほど、思い返せば思い返すほど、彼の一挙一動がすべて嘘だったように思えて。気が遠くなりそうなくらい痛い。このままだと、体中が腐りそうだ。
奈奈:そんなのいや
章司、落ち着け、手当ては完璧だ!こんな傷すぐ治るから!
奈奈:有難う、優しいね、章司!
章司:いや、そんなことを、ちょっと、あるけど!
奈奈:ね、章司、恋の傷はどうすれば、治るかな?
章司:え?鯉?
奈奈:あたしはね、やっぱり、新しい恋をするしかないと思うの?どう思う?
章司:そう思う!奈奈!
奈奈:よし。決めた。
章司:い?
奈奈:章司、この町で一番洒落な若者が集う場所って何処だと思う?
章司:若者?
奈奈:そう、スーツとか着てない、若々しいもの!
章司:ゲーセンとか?
奈奈:だめだめ、ガキもいるし、おやじだっているじゃ!第一おしゃれでない。
章司:じゃ、やっぱ、クラブだな
奈奈:ビンゴ!
奈奈:恋をしよう、新しい恋をするんだ、逝去しまった恋を持て泣くのは無用そ!恋をしなくちゃ、もともとたくさん恋をして、こんな惨めな自分は闇に葬るんだ。