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淳子:アホか、けどさ、あいつ奈奈なのに、一緒に住まって言ってないかな?
京助:なんでって、奈奈にもう少し自立した女になった欲しいじゃないの?
淳子:そりゃ、あたしも同感だけど。そんなもの望むのは 無謀 だよ。
京助:まんな、だから、章司も浪人中、あんな うだうだ 悩んだんだろし。
淳子:悩んだってた?まさか、別れたいとか?
京助:違う、その逆!奈奈と結婚したいだって。
淳子:結婚?何それ、まだ二十歳なのに?
京助:いいえ、別に、今すぐってわけじゃないだろけど、これから、四大行ってたんじゃ、奈奈を養ってやれるのは先のことになるし。一層受験やめて、 手堅く 就職活動すべてかなうっつって、悩んでたんだよ。
淳子:そんなの間楽しいきゃあ言いのに、女のために、人生犠牲にするなんて、馬鹿げてるよん!
京助:いや、俺もそう思うだけど。でも奈奈はあう言う女だから、章司は養えるように成るまで、何でも待てるかな。
淳子:無理かもね、大人で、包容力があって、経済力もある男が現れたら、そっち行くんじゃない?
京助:やはり!
淳子:当然じゃん、そんな男がいたら、あたしだってそっち行くよ。
京助:そらそうか!
淳子:あんたは何でそう暢気なの?
京助:ね?何で俺の話になるの?
章司: ——1—— 。
奈奈:章司、それはもう淳ちゃんが言ってから、別の台詞にして。
章司:そっか!
奈奈:ごめんね。
章司:よし、分かったわ、一緒に暮らそう。奈奈。
章司:一人暮らしが心細いなら、ずっとここにいていいよ。
奈奈:でも、
章司:やっぱ、こんな狭いはワンルームじゃ嫌か?思い切って、引っ越す?
奈奈:そうじゃなくて、章司が、あたしなんかと暮らしたら、嫌な悪いいっぱいするよ、あたしわがままだし、甘ったれだし、
章司:何言ってんだいまさら、そんなのもう慣れっこだって、つっか、諦めてるし。
奈奈:ひどい。
章司:冗談だよ、そうしようぜ。な?
奈奈:章司!有難う、嬉しい。でも、やめなの、あたしはその言葉をもらえたてだけで、じゅうぶんだよ。幸子よりあたしを選んでくれたのね?
章司:誰だよ、幸子って?
奈奈:章司が優しいから、一緒に暮らしたら、やっぱりあたしすごく甘えちゃうと思う。これ以上、章司に迷惑をかけたくない。
章司:え~、嫌、お前、そんな見ず知らずの他人に迷惑かけることになるくらいなら、俺に~
奈奈:て言う、あたしだってもう二十歳だし、しっかりした大人の女になりたいんだもん、少々の憧れの的になるような、素敵な女に。お願い、分かった?
章司:嫌、出来るもんなら、俺もそうあったほしいんだや、とにかくさ、お前がちゃんと一人暮らしして、やってけるんなら、俺は何も言わんけど。そんな得体の知れない他人と住むのは、要せって。
奈奈:なんで、何で皆してそんな風にナナのことを疑うの?
章司:いや、疑ってるのは、その女のことというより、お前の人を見抜く目がさ~
奈奈:ナナってね、美人で、小顔で、細身で、ハスキー ボイス で、超かっこいいの。宝塚に入ったら、トップスターになれるかも。
章司:なんじゃそら、お前は何でそう見た目に惑わされるわけ?
奈奈 :章司も会えばけ、気に入るよ。あ?でも章司があたしよりあっちのナナを好きになったら、どうしよ?生きていけない。
章司:分かった、紹介してくれ、明日俺も一緒にマンションに行くから。
奈奈:好きにならない?
章司:大丈夫だ、俺はお前と幸子で、手がいっぱいだし。
奈奈:そっか、そうだようね、幸子は激しい女だから、章司の身が持たない。
章司:だから、だれなんだよ、幸子って。
淳子:ええ?どんな おんぼろ かと思いきゃ、いいマンションじゃ?
京助:確かにこれで七万は激安たよな。なんか出るんじゃねぇの?
奈奈:出るって何か?
章司:如何でもいいけど、何でお前らも付いて来るんの?
淳子:いいジャン、別に、奈奈と一緒に暮らそうなんて、物好きがどんな女か?一目見たいし。
京助:保護者代わりに、挨拶だよ。
章司:で、お前の借りた部屋は何処なの?
奈奈:七○七号室。
章司:七○七?
淳子:不吉。
京助:お前らいつの間に魔王の信者に?
奈奈:返事がないね?ナナまだ来てないのかな。
章司:部屋の鍵は?
奈奈:まだ貰えてないの。
淳子:なんでよ、もう契約したんでしょう?
奈奈:えん、でも、保証人のサインと印鑑が必要でね、お父さんに頼んだから、明日には届くと思うんけど。
章司:なんだ、ジャあ、まだ正式に借りれてねぇんじゃ。
奈奈:でも、もう仲介料とか払ったし。
淳子:何それ、あんた騙されたんじゃないの?
泰:どちらさんで?
奈奈:間違えました。ごめんなさい。
淳子:間違うなよ。
章司:間違うと~?
ナナ:冷て。泰、何だよここ?お湯が出ないよ。
奈奈:やっぱり、ここかも。
皆:え?
泰:お前、瓦斯屋に開栓来て貰った。
ナナ:開栓?
奈奈:ナナ!
ナナ:奈奈ちゃん、待ってだよ。遅かったちゃん。
泰:ナナ、服着ろうって。
ナナ:彼氏も一緒。
奈奈:えん!友達も。
京助:けっこう好み。
淳子:え、良かったね。
ナナ:入んなよ。
ナナ:寒い、風引くの、あたしの美声が出なくなったら、どうするのさ?
泰:どうぞ!同居人の方でしたか?
奈奈:はい、おじゃま~~お邪魔します。
淳子:何遠慮してんの?ここはあんたの部屋でもあるんだから。
淳子:初めまして、私は小松奈奈の友人で、早乙女淳子と申しますが、あんたはいったい?
奈奈:淳チャンてば、チャレンジャー?
泰:まあ、これはご挨拶が遅れて、申し訳ありません。 —— 2—— 。高木泰士です。
淳子:どうも。法律事務所?
京助:弁護士?
章司:どこか?
泰:まだ見習い中ですか?何かお困りの時は、いつでもお電話ください。
ナナ:じゃ、何とかしてよ泰、お湯が出なくて、困ってんだよ。
泰:だから、お前瓦斯屋に電話して開栓依頼を?
ナナ:電話してよ。
泰:はいはい、えっと、番号は?
ナナ:さてと、お茶でも入れよっか。
奈奈:あたしも手伝う。
ナナ:あんた薬缶とかカープとか持ってる?
奈奈:ううん?
ナナ:役立たず。
奈奈:ごめんなさい。
泰:どっちみち瓦斯屋よばねぇと、 コンロ も使えねぇから。
ナナ:あ、そっか?
奈奈:そう言うもんなだ?
ナナ:で、呼んだの?
泰:話中だった。後電力会社にこれ記入して送って。水道は毎月家賃と一緒に引き落としだから、何もしなくてよし。それと、市役所に転入等届け出さないと~~
淳子:じゃ、あたしら帰るわ、奈奈、なんかその人に任せとけば、安心みたいだし。
章司:安心か?
京助:まあ、しっかりやれよ。
泰:あ、もうお帰りで。
泰: 不束 娘だすが、今後とも宜しくお願いします。
淳子:いえいえ、此方こそ。
京助:章司も帰る、夕方からバイト入ってんだろ?
章司:あ、どうしようかな?
奈奈:あたしのことなら、心配しないで、章司。ナナもいるし大丈夫だよ。
ナナ:そうだよ、章司手前。男なら、しっかり働いて、稼いで来い。
淳子:まあ、いいじゃんない?あの高木って弁護士が、奈奈の分まで、面倒みてくれそうで、助かるよ。それにあっちのナナも、意外とナナ気が合いそうだし。自己中同士?
京助:ある意味、奈奈よりすごいキャラだよな。 あっちのナナは。
章司:奈奈ナナいうな。なんか 気苦労 が倍になりそうな予感?足して十四、かけて四十九。苦労が~
奈奈:こうして、あたしとナナの共同生活、なんとか無事に幕をあけました。あたし的には、だけど。
泰:ナナ、瓦斯屋明日じゃねぇと来れねぇってさ。
ナナ:ええ? マジ かよ、じゃあ、暖房も使えないの。
泰:つうか、ここエアコンねぇじゃん。
ナナ:嘘。
泰:寒いなら、なんか 羽織 れよ。
ナナ:だって、皮ジャンしけ、もって来てないんだも。 寛げる ないじゃ?
奈奈:あたしなんか貸そうか?
ナナ:いいの?有難う。悪いね。
奈奈:上京したての、その頃のあたしは、ちゃんと社会人としてやっていけるんのかとか、ずっと章司で恋人同士でいられるんのかとか、不安なことは山程ありました、
ナナ:あ~あんたカバン中、服ばっかじゃん、行商?
奈奈:へへ、どれにします、お客さん。
奈奈:だけど、ナナと暮らし始めることに、不思議と不安はなかったんだよ。それがどうしてかは、やっぱり上手く言えないけど。
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