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华浦名师 张广杰——专精日语能力考的沪上名师

现就读于上海外国语大学研究生院。多年从事日语教学,通过因材施教,充分调动学生的主观能动性,巧妙地引导学生的学习积极性,发掘学生应有的学习潜力,在上海培训界享有盛名。名言:没有教不会的学生。张老师教的班级二级合格率接近100%!
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1. re: 心里空荡荡的
理解并深深地体会到张老师的细腻心思,祝福走在前边师兄师姐们,很荣幸我与我的同班同学们,也将在张老师的带领下向前迈进! 桃李天下,感谢张老师一届又一届地送旧迎新. (张蒻君)
2. re: 皆さん、久しぶり!
不好意思,我最近没有时间来这里,今天偶尔来这里才看到你的留言,谢谢你还记得我! (張広傑)
3. re: 皆さん、久しぶり!
O(∩_∩)O~,不好意思,最近没能顾上来这里。今天才看到你的留言。加油吧!成功属于你! (張広傑)

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  2009年12月8日
一起努力将近一年的同学们分开了,心里空荡荡的。静下来心里老是想着他们。不知道他们现在忙些什么,闭上眼睛常常浮现出他们专心听课的神情,还有他们每张可爱的面孔。
记得第一年做老师的事情,同学们都走了,我也放松了。但一躺就是一周,不知为什么?一年到头都没有生病,静下来了,轻松了反而生起病来了。好像心里最宝贝的东西被人拿走了,自己一无所有了,一种失落,一种忧伤袭击着我的心。后来,看到他们都很好,我也就慢慢好起来了。天下没有不散的宴席,只要大家都过得好,以后见面的时候还会有的。
现在说是放得下,其实还是有点......
同学们,我会默默地祝福你们。
posted @ 2009-12-08 14:57 張広傑 阅读(53) | 评论 (1)编辑 收藏
  2009年7月25日
皆さん、久しぶりですね。
暑い日が続いてきますので、体に気をつけてください。
仕事などのことで皆さんから遠く離れたような感じがしますね。これからは出来るだけ一緒に日本語の勉強を楽しむようにしますので、よろしくお願いします。
posted @ 2009-07-25 22:49 張広傑 阅读(125) | 评论 (5)编辑 收藏
  2007年12月11日

 

浅谈学日语的经验

爱好日语的朋友们:你们好!

近年来日语学习的热潮一直居高不下,但日语方面的人才还是很走俏。经调查得知,很多人都是半途而废。原因很简单:日语太难了,学不会。日语真的很难吗?真的学不会吗?

也许大家听说过这样的一句话:“英语是哭着进去笑着出来,而日语则是笑着进去哭着出来”这句话的意思是说:英语学习开始难,后来就简单了。而日语学习则恰恰相反。对于中国人来说,学习日语不是一件很难的事情吧。因为日语起源于中文,有很多的单词和中文一模一样,如:三(さん)、西瓜(すいか)、扇子(せんす)、椅子(いす)等。即使没有学过日语的人来到日本旅游,走到大街上也能看懂很多广告牌。

但是,学好日语也不是那么简单。初学日语的人感觉语法并不难,最难的莫过于记单词吧。日语单词确实难记,因为它不像英文,我们从小都在学习,积累了好多好多的单词。而日语陌生的假名、陌生的单词使我们这些初学者倍感困难。那么,初学者如何记单词呢?

记忆方法有很多,如1、“滚雪球”的方法2、“攻坚战”的方法3、谐音联想记忆法4、提问法5、筛选法6、同音异义,绕口令记忆法7、借助英文来记忆外来语等。

1、“滚雪球”的方法。

大家都知道,滚雪球时若没有及时拍结实,粘上去的雪就会脱落,这样雪球就滚不大。同样记单词就好似滚雪球,反复地记忆单词,直到完全记住,这样就可以滚成一个很大的“雪球”。否则,学过的单词没有及时、反复记忆,最终还是寥寥的单词。这种方法和古人说的“温故而知新”很相近。

2、“攻坚战”的方法。

有些单词特别难记,可以称为“顽固性敌人”,如何才能把这些难记的单词记住呢?我们可以用毛主席的一句话“集中优势兵力歼灭敌人”。把难记的单词抄在可以装在口袋里的小本子上,或者写在纸上贴在自己常看到的地方,有空常就看看,重点记忆,这样可以很快地解决这些“顽敌”。

3、谐音联想记忆法。

有些单词特别难记,这样可以借助谐音记忆,可以让你记忆保持很久。:“譲る”、“削る”、“ネクタイ”、“難しい”、“スリラー”、“器” 等。

(ゆず)

ずる”上海话的“猪”,浑身是油的猪跑来你肯定要“让”,所以可以联想到“譲る”有“让给,转让;谦让;让步;出让”等意思。

(けず)

ずる”上海话的“猪”,猪给人的感觉都很肥,要减肥就用刀子“削减”, 所以可以联想到“削る”有“削;刨;铲;削减;删除;一点一点地削减”等意思。

ネクタイ

“内裤带”的谐音,还有领带细长很象以前人们的“裤腰带”。这种记忆虽有点俗气,但记忆起来确实很形象,易记住。

(むずか)しい

“母子看戏”一位母亲带者一个婴儿看戏,孩子一会儿哭,一会儿叫,一会儿吃奶,一会儿撒尿,确实很难。所以谐音“母子看戏”(むずかしい)可以联想到“难的,难;难办的;麻烦的”等意思。

スリラー

“死里拉”。悬崖边一个人拉着掉进悬崖的人,一个从死里往外拉,一个往死里拉,由此可以联想到“惊险(戏剧;影片),惊险小说”等。

(うつわ)

うつ”是“打,敲打”的意思。“”上海话里“坏掉了”说成“瓦特了”,一敲打就瓦特了,就可以联想到“容器,器皿”。

此方法有利有弊。利是记忆牢,保持久;弊是读音易走调。所以要经常纠正音调,以免语调错误。

4、提问法

这种方法适合两个或几个人之间,一个人提问,一个或多个人回答或默写。这样可以记得牢,准。不过需要学生一起学习才能使用。如果是一个人话,需要借助录音机。先把自己想记住的单词录下来,然后放音默写,将默写好的单词进行核对、纠正,这样可以弥补人手不足的缺陷,达到异曲同工的效果。

5、筛选法

单词太多,先将没记住的单词筛选出来,列一个“清单”,然后根据“清单”重点记忆,经过筛选、记忆,这样可以化繁为简,减轻记忆的繁和难。经过多次筛选,很快就达到全部记住。

6、“同音异义,绕口令记忆法

利用同音异义的词语连成句子,构成一个完整的意思,这样记忆起来比单独记忆一个单词要简单得多。

例如:貴社(きしゃ)記者(きしゃ)汽車(きしゃ)帰社(きしゃ)した/贵公司的记者乘火车回贵公司了。

   ②祖母(そぼ)(そば)蕎麦(そば)を食べる/在祖母的旁边吃荞麦面。

      (かえる)(かえ)/青蛙回家。

7借助英文来记忆外来语

英文好的同学用这个方法学习起来比较轻松、方便,且效果明显。不过要时刻注意日语和英文发音的比较,否则容易搞混,发音就不准了。

例如:スーパーマン/superman/超人          インク/ink/墨水 

コンピューター/computer/电脑    レモン/lemon/柠檬

スピカー/speaker/扬声器             ノート/note/笔记本

ヒーロー/hero/男英雄;男主人公   トイレ/toilet/厕所

コミュニケーション/communication/(思想等的)交流,沟通

ゴール/goal/(体育比赛的)终点;(球类比赛的)球门

记忆的方法很多,每个人的学习方法不同,可以根据个人记忆的特点来达到自己记忆的目的。

单词这一关过了,别的没有什么难的了。不过我们还要注意教材的选用,以及老师的正确引导。好的教材可以让我们学得轻松,老师正确的引导可以让我们少走弯路。

    现在有关日语教学有很多教材,如:《新编日语》、《中日交流标准日本语》、《新版中日交流标准日本语》、《大家日语》、《基础新日语》、《新世纪日语》等,还出现了各种各样的能力考试用书。其中《新版中日交流标准日本语》是对1988年问世的新《中日交流标准日本语》经过更新整合后完成的。它是由人民教育出版社与日本光村图书出版株式会社合作编写的,保持了与日本能力测试相当水平的对应。适合业余学习用书。另外《新编日语》由上海外语教育出版社出版,作为各大学日语专业教材用书很受欢迎。老师正确的引导可以让我们少走弯路,也会不断地提高我们学习的兴趣和信心。大家都知道,一个人很紧张、害怕的时候是不能很流利地讲话,更别说是外语了。所以语言的学习和其他专业的学习有些不同,采用诙谐生动的授课方式,让学员在轻松愉快中掌握了语言这是最重要的。作为有经验的老师基本上都会注意到这一点,尽量地让学生放松,自由自在地说。

 学习过程中还有一个重要的一环也不能丢,也就是给自己创造一个说的环境。一开始就用学过的表达来说,运用的记忆要比强行的记忆好得多。方法有多种,根据每个人条件来决定。可以利用SKYPEMSN、日语角等和日本人或会讲日语的人聊天,来提高自己说的胆量和能力。

 总之,日语用心学了就不难,不用心的话,别说日语,别的也将一事无成。

 

   

posted @ 2007-12-11 20:15 張広傑 阅读(1454) | 评论 (7)编辑 收藏
 

巧记单词的小谋士

学习日语不难,而学好日语也不是那么简单。初学日语的人感觉语法并不难,最难的莫过于记单词。日语单词的确难记,因为它不像我们从小都在学习的英文那样,已经积累了好多好多的单词,学习起来比较容易一些。而日语陌生的假名、陌生的单词使我们这些一张白纸的初学者倍感困难。那么,初学者如何记单词呢?

记忆方法诸多,如 :“滚雪球”的方法;“攻坚战”的方法;谐音联想记忆法;提问法;筛选法;同音异义,绕口令记忆法;借助英文来记忆外来语等。在这里我只谈谈“谐音联想记忆法”“同音异义,绕口令记忆法”与大家共勉。

谐音联想记忆法。

有些单词特别难记,这样可以借助谐音记忆,可以让你记忆保持很久。:“譲る”、“削る”、“ネクタイ”、“難しい”、“スリラー”、“器” 等。

(ゆず)

ずる”上海话的“猪”,浑身是油的猪跑来你肯定要“让”,所以可以联想到“譲る”有“让给,转让;谦让;让步;出让”等意思。

(けず)

ずる”上海话的“猪”,猪给人的感觉都很肥,要减肥就用刀子“削减”, 所以可以联想到“削る”有“削;刨;铲;削减;删除”等意思。

ネクタイ

“内裤带”的谐音,领带细长很像很久以前人们用的“裤腰带”。这种记忆虽有点俗气,但记忆起来确实很形象,易记住。

(むずか)しい

“母子看戏”母亲带着一个婴儿看戏,孩子一会儿哭,一会儿叫,一会儿吃奶,一会儿撒尿,确实很难弄。于是谐音“母子看戏”(むずかしい)可以联想到“难的,难;难办的;麻烦的”等意思。

スリラー

“死里拉”。悬崖边一个人拉着掉进悬崖的人,一个从死里往外拉,一个往死里拉,由此可以联想到“惊险(戏剧;影片),惊险小说”等。

(うつわ)

うつ”是“打,敲打”的意思。“”上海话里“坏掉了”说成“瓦特了”,一敲打就瓦特了,就可以联想到“容器,器皿”。

此方法有利有弊。利是记忆牢,保持久;弊是读音易走调。所以要经常校正音调,以免语调错误。

“同音异义,绕口令记忆法

利用同音异义的词语连成句子,构成一个完整的意思,这样记忆起来比单独记忆一个单词要简单得多。

例如:きしゃのきしゃはきしゃできしゃした。/貴社の記者は汽車で帰社した贵公司的记者乘火车回贵公司了。

   ②そぼのそばでそばをたべる。/祖母の傍で蕎麦を食べる在祖母的旁边吃荞麦面。

      ③かえるはかえる。/蛙は帰る。/青蛙回家。

记忆的方法有很多,每个人的学习方法不同,所以可根据个人的记忆特点来达到记忆的目的。

posted @ 2007-12-11 20:12 張広傑 阅读(352) | 评论 (1)编辑 收藏
  2007年5月30日

                 走れメロス

                     太宰治


 メロスは激怒した。必ず、かの
邪智暴虐 ( じゃちぼうぎゃく ) の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた ( ) のシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、 花婿 ( はなむこ ) として迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。メロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今は此のシラクスの市で、石工をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちにメロスは、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。のんきなメロスも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった ( はず ) だが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく 歩いて ( あるいて ) 老爺 ( ろうや ) に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。メロスは両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
「王様は、人を殺します。」
「なぜ殺すのだ。」
「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」
「たくさんの人を殺したのか。」
「はい、はじめは王様の妹婿さまを。それから、御自身のお 世嗣 ( よつぎ ) を。それから、妹さまを。それから、妹さまの御子さまを。それから、皇后さまを。それから、賢臣のアレキス様を。」
「おどろいた。国王は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しをしている者には、人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば十字架にかけられて、殺されます。きょうは、六人殺されました。」
 聞いて、メロスは激怒した。「 ( あき ) れた王だ。生かして置けぬ。」
 メロスは、単純な男であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ王城にはいって行った。たちまち彼は、 巡邏 ( じゅんら ) の警吏に捕縛された。調べられて、メロスの懐中からは短剣が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。メロスは、王の前に引き出された。
「この短刀で何をするつもりであったか。言え!」暴君ディオニスは静かに、けれども威厳を ( もっ ) て問いつめた。その王の顔は 蒼白 ( そうはく ) で、 眉間 ( みけん ) ( しわ ) は、刻み込まれたように深かった。
「市を暴君の手から救うのだ。」とメロスは悪びれずに答えた。
「おまえがか?」王は、 憫笑 ( びんしょう ) した。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」
「言うな!」とメロスは、いきり立って 反駁 ( はんばく ) した。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、民の忠誠をさえ疑って居られる。」
「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」暴君は落着いて ( つぶや ) き、ほっと 溜息 ( ためいき ) をついた。「わしだって、平和を望んでいるのだが。」
「なんの為の平和だ。自分の地位を守る為か。」こんどはメロスが嘲笑した。「罪の無い人を殺して、何が平和だ。」
「だまれ、 下賤 ( げせん ) の者。」王は、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、 ( はりつけ ) になってから、泣いて ( ) びたって聞かぬぞ。」
「ああ、王は 悧巧 ( りこう ) だ。 自惚 ( うぬぼ ) れているがよい。私は、ちゃんと死ぬる覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、 ―― 」と言いかけて、メロスは足もとに視線を落し瞬時ためらい、「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます。」
「ばかな。」と暴君は、 ( しわが ) れた声で低く笑った。「とんでもない ( うそ ) を言うわい。逃がした小鳥が帰って来るというのか。」
「そうです。帰って来るのです。」メロスは必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスという石工がいます。私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」
 それを聞いて王は、残虐な気持で、そっと 北叟笑 ( ほくそえ ) んだ。生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。この嘘つきに ( だま ) された振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの男を、三日目に殺してやるのも気味がいい。人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの男を磔刑に処してやるのだ。世の中の、正直者とかいう 奴輩 ( やつばら ) にうんと見せつけてやりたいものさ。
「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと殺すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」
「なに、何をおっしゃる。」
「はは。いのちが大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」
 メロスは口惜しく、 地団駄 ( じだんだ ) 踏んだ。ものも言いたくなくなった。
 竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニスの面前で、 ( ) き友と佳き友は、二年ぶりで相逢うた。メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で 首肯 ( うなず ) き、メロスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。セリヌンティウスは、縄打たれた。メロスは、すぐに出発した。初夏、満天の星である。
 メロスはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、 ( あく ) る日の午前、陽は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事をはじめていた。メロスの十六の妹も、きょうは兄の代りに羊群の番をしていた。よろめいて歩いて来る兄の、 疲労 ( ひろう ) 困憊 ( こんぱい ) の姿を見つけて驚いた。そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。
「なんでも無い。」メロスは無理に笑おうと努めた。「市に用事を残して来た。またすぐ市に行かなければならぬ。あす、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」
 妹は頬をあからめた。
「うれしいか。 綺麗 ( きれい ) な衣裳も買って来た。さあ、これから行って、村の人たちに知らせて来い。結婚式は、あすだと。」
 メロスは、また、よろよろと歩き出し、家へ帰って神々の祭壇を飾り、祝宴の席を調え、間もなく床に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。
 眼が覚めたのは夜だった。メロスは起きてすぐ、花婿の家を訪れた。そうして、少し事情があるから、結婚式を明日にしてくれ、と頼んだ。婿の牧人は驚き、それはいけない、こちらには未だ何の仕度も出来ていない、 葡萄 ( ぶどう ) の季節まで待ってくれ、と答えた。メロスは、待つことは出来ぬ、どうか明日にしてくれ給え、と更に押してたのんだ。婿の牧人も頑強であった。なかなか承諾してくれない。夜明けまで議論をつづけて、やっと、どうにか婿をなだめ、すかして、説き伏せた。結婚式は、真昼に行われた。新郎新婦の、神々への宣誓が済んだころ、黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨が降り出し、やがて車軸を流すような大雨となった。祝宴に列席していた村人たちは、何か不吉なものを感じたが、それでも、めいめい気持を引きたて、狭い家の中で、むんむん蒸し暑いのも ( こら ) え、陽気に歌をうたい、手を ( ) った。メロスも、満面に喜色を ( たた ) え、しばらくは、王とのあの約束をさえ忘れていた。祝宴は、夜に入っていよいよ乱れ華やかになり、人々は、外の豪雨を全く気にしなくなった。メロスは、一生このままここにいたい、と思った。この佳い人たちと生涯暮して行きたいと願ったが、いまは、自分のからだで、自分のものでは無い。ままならぬ事である。メロスは、わが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。あすの日没までには、まだ十分の時が在る。ちょっと一眠りして、それからすぐに出発しよう、と考えた。その頃には、雨も小降りになっていよう。少しでも永くこの家に愚図愚図とどまっていたかった。メロスほどの男にも、やはり未練の情というものは在る。今宵呆然、歓喜に酔っているらしい花嫁に近寄り、
「おめでとう。私は疲れてしまったから、ちょっとご免こうむって眠りたい。眼が覚めたら、すぐに市に出かける。大切な用事があるのだ。私がいなくても、もうおまえには優しい亭主があるのだから、決して寂しい事は無い。おまえの兄の、一ばんきらいなものは、人を疑う事と、それから、嘘をつく事だ。おまえも、それは、知っているね。亭主との間に、どんな秘密でも作ってはならぬ。おまえに言いたいのは、それだけだ。おまえの兄は、たぶん偉い男なのだから、おまえもその誇りを持っていろ。」
 花嫁は、夢見心地で 首肯 ( うなず ) いた。メロスは、それから花婿の肩をたたいて、
「仕度の無いのはお互さまさ。私の家にも、宝といっては、妹と羊だけだ。他には、何も無い。全部あげよう。もう一つ、メロスの弟になったことを誇ってくれ。」
 花婿は ( ) み手して、てれていた。メロスは笑って村人たちにも 会釈 ( えしゃく ) して、宴席から立ち去り、羊小屋にもぐり込んで、死んだように深く眠った。
 眼が覚めたのは翌る日の薄明の頃である。メロスは跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、約束の刻限までには十分間に合う。きょうは是非とも、あの王に、人の信実の存するところを見せてやろう。そうして笑って磔の台に上ってやる。メロスは、悠々と身仕度をはじめた。雨も、いくぶん小降りになっている様子である。身仕度は出来た。さて、メロスは、ぶるんと両腕を大きく振って、雨中、矢の如く走り出た。
 私は、今宵、殺される。殺される為に走るのだ。身代りの友を救う為に走るのだ。王の 奸佞 ( かんねい ) 邪智を打ち破る為に走るのだ。走らなければならぬ。そうして、私は殺される。若い時から名誉を守れ。さらば、ふるさと。若いメロスは、つらかった。幾度か、立ちどまりそうになった。えい、えいと大声挙げて自身を叱りながら走った。村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、隣村に着いた頃には、雨も ( ) み、日は高く昇って、そろそろ暑くなって来た。メロスは ( ひたい ) の汗をこぶしで払い、ここまで来れば大丈夫、もはや故郷への未練は無い。妹たちは、きっと佳い夫婦になるだろう。私には、いま、なんの気がかりも無い筈だ。まっすぐに王城に行き着けば、それでよいのだ。そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの 呑気 ( のんき ) さを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。ぶらぶら歩いて二里行き三里行き、そろそろ全里程の半ばに到達した頃、降って ( ) いた災難、メロスの足は、はたと、とまった。見よ、前方の川を。きのうの豪雨で山の水源地は 氾濫 ( はんらん ) し、 濁流 ( だくりゅう ) 滔々 ( とうとう ) と下流に集り、猛勢一挙に橋を破壊し、どうどうと響きをあげる激流が、 木葉微塵 ( こっぱみじん ) 橋桁 ( はしげた ) を跳ね飛ばしていた。彼は茫然と、立ちすくんだ。あちこちと眺めまわし、また、声を限りに呼びたててみたが、 繋舟 ( けいしゅう ) は残らず浪に ( さら ) われて影なく、渡守りの姿も見えない。流れはいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている。メロスは川岸にうずくまり、男泣きに泣きながらゼウスに手を挙げて哀願した。「ああ、 ( しず ) めたまえ、荒れ狂う流れを! 時は刻々に過ぎて行きます。太陽も既に真昼時です。あれが沈んでしまわぬうちに、王城に行き着くことが出来なかったら、あの佳い友達が、私のために死ぬのです。」
 濁流は、メロスの叫びをせせら笑う如く、ますます激しく躍り狂う。浪は浪を呑み、捲き、 ( あお ) り立て、そうして時は、刻一刻と消えて行く。今はメロスも覚悟した。泳ぎ切るより他に無い。ああ、神々も照覧あれ! 濁流にも負けぬ愛と誠の偉大な力を、いまこそ発揮して見せる。メロスは、ざんぶと流れに飛び込み、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂う浪を相手に、必死の闘争を開始した。満身の力を腕にこめて、押し寄せ渦巻き引きずる流れを、なんのこれしきと ( ) きわけ掻きわけ、めくらめっぽう獅子奮迅の人の子の姿には、神も哀れと思ったか、ついに 憐愍 ( れんびん ) を垂れてくれた。押し流されつつも、見事、対岸の樹木の幹に、すがりつく事が出来たのである。ありがたい。メロスは馬のように大きな胴震いを一つして、すぐにまた先きを急いだ。一刻といえども、むだには出来ない。陽は既に西に傾きかけている。ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠をのぼり、のぼり切って、ほっとした時、突然、目の前に一隊の山賊が躍り出た。
「待て。」
「何をするのだ。私は陽の沈まぬうちに王城へ行かなければならぬ。放せ。」
「どっこい放さぬ。持ちもの全部を置いて行け。」
「私にはいのちの他には何も無い。その、たった一つの命も、これから王にくれてやるのだ。」
「その、いのちが欲しいのだ。」
「さては、王の命令で、ここで私を待ち伏せしていたのだな。」
 山賊たちは、ものも言わず 一斉に ( いっせいに ) 棍棒 ( こんぼう ) を振り挙げた。メロスはひょいと、からだを折り曲げ、飛鳥の如く身近かの一人に襲いかかり、その棍棒を奪い取って、
「気の毒だが正義のためだ!」と猛然一撃、たちまち、三人を殴り倒し、残る者のひるむ ( すき ) に、さっさと走って峠を下った。一気に峠を駈け降りたが、 流石 ( さすが ) に疲労し、折から午後の 灼熱 ( しゃくねつ ) の太陽がまともに、かっと照って来て、メロスは幾度となく 眩暈 ( めまい ) を感じ、これではならぬ、と気を取り直しては、よろよろ二、三歩あるいて、ついに、がくりと膝を折った。立ち上る事が出来ぬのだ。天を仰いで、くやし泣きに泣き出した。ああ、あ、濁流を泳ぎ切り、山賊を三人も 撃ち倒し ( うちたおし ) 韋駄天 ( いだてん ) 、ここまで突破して来たメロスよ。真の勇者、メロスよ。今、ここで、疲れ切って動けなくなるとは情無い。愛する友は、おまえを信じたばかりに、やがて殺されなければならぬ。おまえは、 稀代 ( きたい ) の不信の人間、まさしく王の思う ( つぼ ) だぞ、と自分を叱ってみるのだが、全身 ( ) えて、もはや 芋虫 ( いもむし ) ほどにも前進かなわぬ。路傍の草原にごろりと寝ころがった。身体疲労すれば、精神も共にやられる。もう、どうでもいいという、勇者に不似合いな 不貞腐 ( ふてくさ ) れた根性が、心の隅に巣喰った。私は、これほど努力したのだ。約束を破る心は、みじんも無かった。神も照覧、私は精一ぱいに努めて来たのだ。動けなくなるまで走って来たのだ。私は不信の徒では無い。ああ、できる事なら私の胸を ( ) ち割って、真紅の心臓をお目に掛けたい。愛と信実の血液だけで動いているこの心臓を見せてやりたい。けれども私は、この大事な時に、精も根も尽きたのだ。私は、よくよく不幸な男だ。私は、きっと笑われる。私の一家も笑われる。私は友を ( あざむ ) いた。中途で倒れるのは、はじめから何もしないのと同じ事だ。ああ、もう、どうでもいい。これが、私の定った運命なのかも知れない。セリヌンティウスよ、ゆるしてくれ。君は、いつでも私を信じた。私も君を、欺かなかった。私たちは、本当に佳い友と友であったのだ。いちどだって、暗い疑惑の雲を、お互い胸に宿したことは無かった。いまだって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。ありがとう、セリヌンティウス。よくも私を信じてくれた。それを思えば、たまらない。友と友の間の信実は、この世で一ばん誇るべき宝なのだからな。セリヌンティウス、私は走ったのだ。君を欺くつもりは、みじんも無かった。信じてくれ! 私は急ぎに急いでここまで来たのだ。濁流を突破した。山賊の囲みからも、するりと抜けて一気に峠を駈け降りて来たのだ。私だから、出来たのだよ。ああ、この上、私に望み給うな。放って置いてくれ。どうでも、いいのだ。私は負けたのだ。だらしが無い。笑ってくれ。王は私に、ちょっとおくれて来い、と耳打ちした。おくれたら、身代りを殺して、私を助けてくれると約束した。私は王の卑劣を憎んだ。けれども、今になってみると、私は王の言うままになっている。私は、おくれて行くだろう。王は、ひとり合点して私を笑い、そうして事も無く私を放免するだろう。そうなったら、私は、死ぬよりつらい。私は、永遠に裏切者だ。地上で最も、不名誉の人種だ。セリヌンティウスよ、私も死ぬぞ。君と一緒に死なせてくれ。君だけは私を信じてくれるにちがい無い。いや、それも私の、ひとりよがりか? ああ、もういっそ、悪徳者として生き伸びてやろうか。村には私の家が在る。羊も居る。妹夫婦は、まさか私を村から追い出すような事はしないだろう。正義だの、信実だの、愛だの、考えてみれば、くだらない。人を殺して自分が生きる。それが人間世界の定法ではなかったか。ああ、何もかも、ばかばかしい。私は、醜い裏切り者だ。どうとも、勝手にするがよい。やんぬる ( かな ) ―― 四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。
 ふと耳に、 潺々 ( せんせん ) 、水の流れる音が聞えた。そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。すぐ足もとで、水が流れているらしい。よろよろ起き上って、見ると、岩の裂目から 滾々 ( こんこん ) と、何か 小さく ( ちいさく ) ( ささや ) きながら清水が湧き出ているのである。その泉に吸い込まれるようにメロスは身をかがめた。水を両手で ( すく ) って、一くち飲んだ。ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。歩ける。行こう。肉体の 疲労 ( ひろう ) 恢復 ( かいふく ) と共に、わずかながら希望が生れた。義務遂行の希望である。わが身を殺して、名誉を守る希望である。斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。日没までには、まだ間がある。私を、待っている人があるのだ。少しも疑わず、静かに期待してくれている人があるのだ。私は、信じられている。私の命なぞは、問題ではない。死んでお詫び、などと気のいい事は言って居られぬ。私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。走れ! メロス。
 私は信頼されている。私は信頼されている。先刻の、あの悪魔の囁きは、あれは夢だ。悪い夢だ。忘れてしまえ。五臓が疲れているときは、ふいとあんな悪い夢を見るものだ。メロス、おまえの恥ではない。やはり、おまえは真の勇者だ。再び立って走れるようになったではないか。ありがたい! 私は、正義の士として死ぬ事が出来るぞ。ああ、陽が沈む。ずんずん沈む。待ってくれ、ゼウスよ。私は生れた時から正直な男であった。正直な男のままにして死なせて下さい。
 路行く人を押しのけ、 ( ) ねとばし、メロスは黒い風のように走った。野原で酒宴の、その宴席のまっただ中を駈け抜け、酒宴の人たちを仰天させ、犬を ( ) とばし、小川を飛び越え、少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った。一団の旅人と ( ) っとすれちがった瞬間、不吉な会話を小耳にはさんだ。「いまごろは、あの男も、磔にかかっているよ。」ああ、その男、その男のために私は、いまこんなに走っているのだ。その男を死なせてはならない。急げ、メロス。おくれてはならぬ。愛と誠の力を、いまこそ知らせてやるがよい。風態なんかは、どうでもいい。メロスは、いまは、ほとんど全裸体であった。呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。見える。はるか向うに小さく、シラクスの市の塔楼が見える。塔楼は、夕陽を受けてきらきら光っている。
「ああ、メロス様。」うめくような声が、風と共に聞えた。
「誰だ。」メロスは走りながら尋ねた。
「フィロストラトスでございます。貴方のお友達セリヌンティウス様の弟子でございます。」その若い石工も、メロスの後について走りながら叫んだ。「もう、駄目でございます。むだでございます。走るのは、やめて下さい。もう、あの ( かた ) をお助けになることは出来ません。」
「いや、まだ陽は沈まぬ。」
「ちょうど今、あの方が死刑になるところです。ああ、あなたは遅かった。おうらみ申します。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!」
「いや、まだ陽は沈まぬ。」メロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。
「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。いまはご自分のお命が大事です。あの方は、あなたを信じて居りました。刑場に引き出されても、平気でいました。王様が、さんざんあの方をからかっても、メロスは来ます、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でございました。」
「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。ついて来い! フィロストラトス。」
「ああ、あなたは気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。走るがいい。」
 言うにや及ぶ。まだ陽は沈まぬ。最後の死力を尽して、メロスは走った。メロスの頭は、からっぽだ。何一つ考えていない。ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて走った。陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、メロスは疾風の如く刑場に突入した。間に合った。
「待て。その人を殺してはならぬ。メロスが帰って来た。約束のとおり、いま、帰って来た。」と大声で刑場の群衆にむかって叫んだつもりであったが、喉がつぶれて ( しわが ) れた声が ( かす ) かに出たばかり、群衆は、ひとりとして彼の到着に気がつかない。すでに磔の柱が高々と立てられ、縄を打たれたセリヌンティウスは、徐々に釣り上げられてゆく。メロスはそれを目撃して最後の勇、先刻、濁流を泳いだように群衆を掻きわけ、掻きわけ、
「私だ、刑吏! 殺されるのは、私だ。メロスだ。彼を人質にした私は、ここにいる!」と、かすれた声で精一ぱいに叫びながら、ついに磔台に昇り、釣り上げられてゆく友の両足に、 ( かじ ) りついた。群衆は、どよめいた。あっぱれ。ゆるせ、と口々にわめいた。セリヌンティウスの縄は、ほどかれたのである。
「セリヌンティウス。」メロスは眼に涙を浮べて言った。「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君が ( ) し私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」
 セリヌンティウスは、すべてを察した様子で 首肯 ( うなず ) き、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。殴ってから 優しく ( やさしく ) 微笑 ( ほほえ ) み、
「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」
 メロスは腕に ( うな ) りをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。
「ありがとう、友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。
 群衆の中からも、 歔欷 ( きょき ) の声が聞えた。暴君ディオニスは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。
「おまえらの望みは ( かな ) ったぞ。おまえらは、わしの心に勝ったのだ。信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」
 どっと群衆の間に、歓声が起った。
「万歳、王様万歳。」
 ひとりの少女が、 ( ) のマントをメロスに捧げた。メロスは、まごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。
「メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛い娘さんは、メロスの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」
 勇者は、ひどく赤面した。

(古伝説と、シルレルの詩から。)

 

 

 

 読み終わったら、ご感想を聞かせてください。

posted @ 2007-05-30 18:39 張広傑 阅读(943) | 评论 (3)编辑 收藏
  2007年5月23日

僕のモットー

                    

「成功という自信さえあればきっと成功である」これは僕のモットーです。

 僕は子供の頃は毎日遊んでばかりいても成績がクラスでやっぱり一番だったのです。何でそんな良い成績が取れたのかとよく聞かれますが、自分でもわからないのです。でも、大学に入って、どうしても成績がトップになれなくて悔しくなり、自信がだんだんなくなってきました。大学を出て、いい仕事が見つからないので、上海にやってきました。上海に来てはじめて、自分の努力がまだまだ足りないことをしみじみと感じました。ですから、一念発起して勇気を出して、いろいろなことに挑戦し始めました。

 いろいろな経験をして、だんだん何事でも自分の努力によって、遂げられないものはないということが分かってきました。上海に来たばかりの頃は他人の立派な家を見て、自分の家一間でも持ちたいなあと心から強く思っていました。そこで、毎日日が昇らないうちに家を出て、夜更けになって家へ戻って、2年間ぐらい努力した結果、自分の家を持つことができました。自分の部屋に引っ越した日にはその喜びと言ったらありはしなかったです。

 人は欲の塊です。他人が自家用の車を運転してかっこいいなあ、他人の奥さんはきれいだなあ、他人の家庭は幸せだなと思って、僕も早くそうなりたいと願ったものです。それはあり得ないこととは言えない。いつか自分の力で絶対完璧にできるようにがんばると決心しました。努力が効きを奏して、2年間ぐらいして自分の念願が嘘のように叶いました。

 そんな不思議なことと思われるかもしれません。いや、決して不思議なことではないのです。これはすべて僕が耐えず努力してきた結果なのです。

 

posted @ 2007-05-23 00:04 張広傑 阅读(2275) | 评论 (16)编辑 收藏
  2007年4月25日

これからの日中関係はどうあるべきか

 

以前、安倍首相の訪中は「氷を 砕く 旅」であり、今回、温総理の訪日は「氷を溶かす旅」であると表明されたが、中日関係は、これからどうあるべきか。

日本は一体どんな国であろうか。日本人は一体どんな国民であろうか。私はこの問題を子供の頃からよく考えた。そして「日本国はわが国を侵略したことがある小さな島国で、日本人は情けがなく、野蛮な民族だ。」と年を取った人に教えてもらった。

時間の経つにつれて、物事や人に対する理解が変わっていくものである。日本と日本人に対する印象は大学に入り、日本語を勉強し、いろいろの日本人留学生と付き合ってから、だんだん変わってきた。

今僕は日本語の教師として、次のように自分の学生たちに教えたいのである。

日本はきれいな先進国で、日本人は勤勉な国民であり、私たちの友達である。中日両国は海を隔てた「一衣帯水」の隣国で、中日両国の関係は何千年も前からずっと続いている。国交正常化以来三十五年近くの中日関係を振り返ってみると、この中に変化の過程がある。中日国交が正常化してまもなく、両国に「中日ブーム」が現れたが、近年、双方ともに相手に対する「好感度」が低下した。しかし、このことは必ずしも悪い事だとは言えない。これは中日関係が発展する必然の過程である。もっと深くお互いに理解し合うことができるきっかけになるかも知れない。

歴史を通して証明されていることは、中日両国が仲よくすれば、得であり、戦えば、損ということである。したがって、中日両国政府と経済界は両国の共同発展と恒久的な発展に着眼し、両国の貿易経済協力を拡大するため努力すべきである。われわれ両国の若者たちは中日友好についていろいろなことを伝えて、両国の国民に中日友好の大事さもわかっていただきたいと思う。その他、われわれのような中日友好に携わる志を持っている人々は、中日友好に関心を払い、自分の力を出して努力するように願っている。

 

 

posted @ 2007-04-25 12:57 張広傑 阅读(1262) | 评论 (6)编辑 收藏
  2007年4月11日

赤とんぼは人間の友よ

 

「夕焼け小焼けの赤とんぼ、負われてみたのはいつの日か。・・・夕焼け小焼けの赤とんぼ、とまっているよ、竿の先。」という美しい歌を聴くたびに、子供の頃のことが心に浮かんできた。

それはある夏の夕方のことであった。夕陽がもうじき沈むころとはいえ、真夏ごろなので、相変わらず蒸し暑かった。何人かの子供だちが箒で赤とんぼを捕まえているのを見て、おもしろいなあと、僕は急いで家に戻って自家の箒を持ってきて、彼らの一口に乗った。

ほかの子供の赤とんぼを捕った時の喜びようを見て、羨ましくてたまらなかった。背が低く、力も弱い僕はあんな大きな箒を持って、走り回っていて、その上、蒸し暑かったので、すでに汗でびしょびしょになった。赤とんぼは疲れも知らないようにひらひら空を回っていた。

「やった、僕も一匹捕まえた。」僕も飛び上がるほど嬉しかった。あまりの嬉しさに、それに、初めてなので、興奮したのか、ついその赤とんぼの頭を取り落としてしまって、僕はげっそりした。どうしても一匹生き生きしたのがほしかったから、改めて挑戦してみた。一生懸命遣り甲斐があって、とうとう一匹の生き生きした赤とんぼを捕まえた。

「赤とんぼは人間の友よ。」と母は僕が赤とんぼを持って帰るのを見て言ってくれた。「赤とんぼは蚊などの害虫を食うんだから、保護するべきよ。」母の優しい目つきを見て、僕は分かったように首を縦に振った。せっかく捕まえたのに残念だな、でも、放すしかなかった。あの赤とんぼは僕の手のひらに元気なさそうに止まっていたか、ツイと指先から体を離して、高い空に舞い上がっていった。

夕陽が、その羽を一層赤くしていた。それが飛んでいくのを望みながら、悲しかったが、しかし嬉しかった。

 

posted @ 2007-04-11 12:37 張広傑 阅读(1076) | 评论 (2)编辑 收藏
  2007年4月6日
第 六 課  七夕 一、単語 ...  阅读全文
posted @ 2007-04-06 11:20 張広傑 阅读(713) | 评论 (0)编辑 收藏
  2007年4月4日

日本の代表的な俳句を読んで

 

俳句は無駄な言葉を省いて、五·七·五の中に作者の見た、聞いた、感じた一瞬の情景を描写する。あまり技巧に走らず、素直に心に感じたことを言葉にするのは俳句を書く時気をつけるところである。

先週の水曜日に日本の代表的な俳句を沢山読んだ後、こういう風に考えたのである。私が最初に俳句を目にしたのは大学のときである。あの時と比べると、今回は新鮮な感じが湧いてきた。

なぜならば、 その時は、俳句の定義(俳句とは五·七·五の十七音を定型とする短い詩である)や、また俳句をそのまま丸暗記しただけで、意味がほとんど分からなかったが、今では、意味はもちろん、句に備わる閑寂な情調もだんだん分かるようになったのである。

私は詩的な人間ではないが、中国の 詩·詞などには興味を持っている。けれども、日本の俳句·短歌·詩歌などにはそれほど興味を持っていない。というのは、日本の古語は難しく、分かりにくいからであろう。だが、その中でも私が一番好きなのは松尾芭蕉の俳句なのである。

松尾芭蕉の「古池や 蛙飛び込む 水の音」は大学の時読んだことがある。それを現代文に直すと、「古い池の中に蛙が飛び込んだら、水の音が聞こえてきた。」になる。この文を読むと、自然に自分の目の前に美しい画面が浮かんできた。ぼろぼろの池は古びて趣があり、一瞬の静かな水の音が聞き取れるほど、周囲は静寂に満たされている。その静かさが詳しく徹底して表現している。

何といても、俳句 を読む場合、 五·七·五の音のリズムに慣れ、日本語の感覚を身に付けると同時に、俳句 が表現している世界を味わい、作者のものの見方や心情に共感したりしながら、鑑賞力 想像力を養うのは一番大事なことなのではないだろうか

 

posted @ 2007-04-04 19:31 張広傑 阅读(1003) | 评论 (2)编辑 收藏